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2019年9月11日、「コンラッド東京」にてアメリカン・エキスプレス主催のイベント「マッシモ ブットーラ in 東京」が開催された。“ガストロノミーのアカデミー賞”とも称される「世界ベストレストラン」で1位(2016年、2018年)に輝いた実績をもつ、『オステリア・フランチェスカーナ』(イタリア・モデナ)のマッシモ・ブットーラシェフを招き、アメリカン・エキスプレスのプラチナ・カード会員などから抽選で選ばれた方のみが参加。イベントは、ホテル内で会場を変えながら、マッシモシェフによる料理のデモンストレーション、カクテルレセプション、ディナーの3部構成で行われ、シェフが料理に込める想いやストーリーがゲストを惹きつけた。

Contents
1. マッシモ・ブットーラシェフの料理観
2. 一同が喜びを噛みしめた、特別ディナーコース
3. 盛況のうちに幕を閉じたイベントを終えて

マッシモ・ブットーラシェフの料理観

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まず初めに、「コンラッド東京」1階の会場で、マッシモシェフが厳選した料理3品のデモンストレーションが行われた。これらの3品は、このあとに控えているディナーで提供されることもあり、聞き手の関心も高まる。

「今まで積み上げてきた伝統を壊さないと新しいものは生まれない」というマッシモシェフ。その新しさを表現する上で、コンテンポラリーアートや音楽から着想を得ているという。また、シェフ自身が「何を表現するか」ではなく、「食材のメッセージを伝える」ことに注力しているのが特長の一つだ。

例えば、デモンストレーションで紹介された「オータム・イン・ニューヨーク」は、シェフが愛するジャズシンガーであるビリー・ ホリデイの曲に敬意を表した一皿。世界中を旅するシェフが、ニューヨークのマディソンパークからユニオンスクエアの市場までビリー・ ホリデイの曲を聴きながら歩いていたとき、ユニオンスクエアの中で、様々な食材が並ぶ素晴らしい市場の風景と名曲「オータム・イン・ニューヨーク」が重なったことでインスピレーションを得て完成したという。素材には、季節のハーブを使い、キャビアやウナギ、キュウリなどを合わせており、甘味と塩味のバランスが絶妙な一品に仕上げている。

そのほか、ラザニアを再構築した一皿や『オステリア・フランチェスカーナ』のシグネチャーディッシュとして有名なデザート「おっと! レモンタルトを落としちゃった」なども紹介されたあと、シェフとの写真撮影を行い、イベントのデモンストレーション部分が終了。そこから、28階にあるバーラウンジに移動し、2部目のカクテルレセプションへ。この部ではウェルカム・ドリンクだけでなく、シェフも参加し、ゲストとの会話を楽しみながら、イタリア・モデナ産の49年熟成したバルサミコ酢をテイスティングしてもらうなど、終始和やかな雰囲気で会が進んでいった。

一同が喜びを噛みしめた、特別ディナーコース

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ディナータイムでは、はバーラウンジと同じフロアにあるレストランに移動。初めに、マッシモシェフに今回提供する全メニューのコンセプトなどをお話いただき、ディナーがスタートした。

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「オータム・イン・ニューヨーク」淡水魚のサラダ仕立て

1品目は、デモンストレーションでも紹介された一皿。ユニオンスクエアの市場を表現しており、グリルしたウナギの上に、薄くスライスしたキュウリを重ねてリンゴのように型取ったものをのせ、キャビア、ザジキソース、季節のハーブを。仕上げにウナギの骨からとっただしとハーブなどを合わせたソースを注ぐ。

Spaghetti

スパゲッティ、ナポリから北海道まで

イタリアと日本は、料理の風味や伝統において多くの共通点を持っているという観点から、ナポリのパスタ「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」の特長と日本の食材や調味料を融合させた一皿。パスタを調理する工程では「海」を意識しており、ムール貝とパセリのスープの中で、リゾットのようにじっくりと煮込んでいる。具材はエビ、レモン、仕上げに北海道産ウニのカルボナーラソースを。

Pasta

抽象的なパスタ・アル・ペスト

イタリア・リグーリア州を代表する松の実とバジルのソースを使ったパスタ料理を、パスタを外して再構築。器に松の実とパルミジャーノ・ レッジャーノのフラン、細かくさいの目切りにしたサヤインゲンとアスパラガス、ミント、バジルを盛り付け、仕上げに発酵パスタ、野菜、バジルオイルで作った温かい味噌風ブイヨンをかける。

Lasagna

ラザニアのクランチな一面

デモンストレーションでも紹介された、マッシモシェフの子供のころの思い出を形にした一皿。幼少期のころ、シェフの祖母アンチェラが作ったラザニアが昼食で振舞われた際に、ラザニアで一番美味しいカリカリの部分を争ってこっそりと食べていたという。そこで、ラザニアの古典的なレシピに遊び心を加え、手切りした牛肉のラグーとホワイトソースの上に、素揚げして香ばしく炙ったパスタシートをのせ「カリカリの部分」を表現。日本の国旗をイメージして盛り付けている。イタリア・リグーリア州を代表する松の実とバジルのソースを使ったパスタ料理を、パスタを外して再構築。器に松の実とパルミジャーノ・ レッジャーノのフラン、細かくさいの目切りにしたサヤインゲンとアスパラガス、ミント、バジルを盛り付け、仕上げに発酵パスタ、野菜、バジルオイルで作った温かい味噌風ブイヨンをかける。

Rossini

ロッシーニ

19世紀の作曲家であり、美食家としても知られるロッシーニ。少年時代、音楽家の両親が演奏旅行で留守にしている間、ボローニャの肉屋に預けられ、そこで美食への情熱を培ったと言われている。そんなロッシーニ発案のレシピに着想を得て作られた一皿は、シェフ曰く「食べることができる一つの絵画」だという。真空調理した子牛を皿の中心に盛り付け、フォアグラ、キャビア、サマートリュフのソース、ほうれん草、クリーミーなポテトがカモフラージュのように広がるあしらいが印象的。

Salad

花盛りのシーザーサラダ

サラダではなくデザートとして楽しむ一皿。25種類の素材を盛り込んでおり、それぞれの素材を味わうためにも、「食べたあとはワインではなく水を飲んでいただきたい」とマッシモシェフ。キクの花、エルダーフラワービネガー、乾燥チェリー、カモミールハニーのドレッシングが組み合わさり、見た目にも美しくロマンチックな味わいが特長だ。

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おっと! レモンタルトを落としちゃった

『オステリア・フランチェスカーナ』の代表的なシグネチャーディッシュ。あるとき、同店のスーシェフの紺藤敬彦(こんどうたかひこ)氏が誤って落としてしまったレモンタルトを見て、マッシモシェフが考案したというエピソードも有名だ。ゆえに、このデザートでは“不完全さの魅力”を伝えており、太陽の光が燦々とふりそそぐ南イタリアへの想いを表現。レモンのザバイオーネ、ヴァーベナのソルベの上に、砕いたパイクラストを盛り付け、砂糖漬けのベルガモット、アーモンド、塩味のきいたケッパー、乾燥オレガノ、ホットペッパーオイルを。

盛況のうちに幕を閉じたイベントを終えて

ディナー後は、マッシモシェフとイベントを主催したアメリカン・エキスプレスの代表の挨拶で会を締めくくる。日本・アジア社長の清原正治氏は、「マッシモシェフの『伝統を再構築し、それがまた伝統になる』という言葉が印象的。世界中のアメリカン・エキスプレスのイベントの中でも、TOP3に入るようなプレミアムなイベント」と話し、続けてマッシモシェフ、担当スタッフ、ゲストと、すべての方々への感謝の言葉を述べた。

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アメリカン・エキスプレス・カンパニー 日本・アジア 社長 清原正治氏

イベントが終了し、歓喜にあふれた空間の余韻が残る中で、マッシモ・ブットーラシェフの人物像が浮かび上がる。料理人という垣根を超え、食文化、アート、音楽、そしてすべての食材に敬意をもって接し、料理という名の作品を生み出す一人のアーティストであると感じた。

そして主催したアメリカン・エキスプレスは、今回のように素晴らしいシェフを招待するだけでなく、シェフ同士のコラボレーション、予約困難店の貸し切り会など、世界中のレストランを視野に入れ、今後も様々なプレミアムな体験ができるダイニングのイベントを打ち出していくという。次はどのレストランが光り輝くのか。今後もその動向から目が離せない。

【取材・文】白石直久
【写真提供】アメリカン・エキスプレス

 

 


 

 

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