かつて花街として栄えた神楽坂の路地裏に、『神楽坂 鉄板焼 中むら』はある。エレベーターを降りればそこは凛とした趣をもつ非日常空間。樹齢230年のアサダ巨木を使用したこだわりの一枚板カウンターが出迎えてくれる。
オーナーシェフの中村真利氏は高校卒業後、帝国ホテルで様々な料理部門を経験し、約25年もの時間をかけて腕と魂を磨きあげた。そして2011年、ホテル時代に抱いていた制限された食材や調理法への疑念を晴らし、自身の信じる「うまい肉」を最上の方法で実現する為、街の情緒に惚れ込んでいた神楽坂にて独立を果たした。
『神楽坂 鉄板焼 中むら』では、肉を焼くときに油を使用しない。白く清潔な布巾を何枚も重ね、肉を焼きながら鉄板を磨き、小まめに布巾を変えながら肉を焼き、常にピカピカの鉄板の上で華麗に肉を焼いていく。従来の鉄板焼の概念を覆すこの方法で、最上の火入れを可能にするのが中村氏の職人技。余分な油に頼らず自然のうま味を引き出すことで、雑味がなく食べ疲れのない肉に仕上がり、肉本来の味わいや風味をしっかりと噛み締められる「うまい肉」となるのだ。
季節のおまかせコース(月替わり)のメインの肉は、中むらが厳正した川岸牧場産、上田畜産但馬玄等の希少な神戸牛、哲多和牛牧場萬草牛、信頼のおける生産者から直接仕入れる特級品の肉が揃う。また、旬の野菜や魚介を使用した一品料理も、肉の火入れ同様余分な油を使用せず、食材がもつ水分を活用して蒸焼き状態で調味されるので、〆のガーリックライスまで完食しても食後感の爽快さに驚かされるだろう。中村氏のコース料理は、メインディッシュの肉を絶好のタイミングとコンディションでゲストに味わってもらえるようにと、巧みに組み立てられているのである。ご予約時の事前オーダーで、活伊勢海老・活車海老・活蝦夷鮑などの追加・変更も可能。
料理を引き立てるお酒は、ソムリエの資格をもつマダムがゲストの嗜好に寄り添いながら、ワインや日本酒を中心にセレクトしてくれる。臨場感のあるカウンター8席と、ゆっくり会話も楽しめるテーブル8席の店内は、カップルや友人同士、カジュアル接待などの大切な一席にふさわしい空間。中村氏の軽妙なトークとマダムの朗らかなサービスが、名店ひしめく神楽坂の街でひときわ華やぐ時間を演出している。
■アクセス
・JR中央・総武線「飯田橋駅」西口より徒歩7分
・東京メトロ有楽町線・南北線「飯田橋駅」B3出口より徒歩3分
・都営大江戸線「牛込神楽坂駅」A3出口より徒歩5分