2016年春、代官山の穏やかな地に移転オープンした、一つ星イタリアン『TACUBO(タクボ)』。広尾「バルカ」、恵比寿「アーリア ディ タクボ」を経て、また新たなステージに立つ田窪シェフ率いるイタリアンである。
田窪シェフが表現するのは「自然」。料理はもちろんのこと、ワイン、器、内装にいたるまで、自然のもつ生命力や美しさ、旬の食材のおいしさや彩りを表現し、季節を愛でる。
主役は、TACUBOオリジナルの『十勝 田くぼ牛』。シェフにとって理想の状態の肉だけを『十勝 田くぼ牛』として、仕入れている。サシの入っていない赤身肉は淡白過ぎるし、サーロインでは脂が多過ぎて重たく感じる。つまりその中間的な存在が、『十勝 田くぼ牛』なのだ。普段は肉の市場にも出回らない肉を独自のルートで仕入れられるのは、生産者との関係構築から力を注いできたTACUBOの最大の強みだ。
そして、新たに熱源として選ばれたのは『薪(まき)』。オープンキッチンのカウンター目前に置かれた薪窯で、素材に新たな命を吹き込む。ガスや炭ではなくあえて薪焼きにすることにより、適度に滲みでる脂によって肉の表面がクリスピー状に仕上がる。噛み締めれば旨みがじんわりと広がり、口福をもたらしてくれる。食材をシンプルに仕上げるからこそ、素材本来の良さが引き立ち、裏を返せばごまかしは一切きかない。「素材に耳を傾けてきちんと味わえる」新生TACUBOの料理は、食べ手の心にまっすぐ響き、心地いい余韻を残す。
躍動感のあるカウンター席と、四季折々の植物が観える個室(4~6名様)は一面ガラス張り。ポケットコンシェルジュからは個室の予約が可能。木目調の店内にゆらめく炎。ほっとする居心地のいい空間で、田窪シェフの表現する「自然」を体感してほしい。
【アクセス】
■東急東横線「代官山駅」北口・正面口より徒歩8分
■JR「恵比寿駅」西口より徒歩7分
■東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」2番出口より徒歩6分
■JR「渋谷駅」新南口より徒歩10分