2016年12月、西麻布の六本木通り沿いにオープン、2021年2月に東麻布へ移転した。食通とワイン通が集う二つ星レストラン。三つ星レストラン「カンテサンス」の支配人を長年務めた、小澤一貴氏率いる『Crony(クローニー)』である。フレンチをベースに、北欧や北米の要素を融合させた新たなスタイルの料理・空間・サービスを展開する。
シェフを務めるのは、才気溢れる春田理宏氏。「カンテサンス」をはじめ、パリの三つ星「Ledoyen(ルドワイヤン)」、サンフランシスコの三つ星「Saison(セゾン)」、ノルウェーの三つ星「MAAEMO(マエモ)」やデンマークの一つ星「KADEAU(カドー)」など、世界の名だたるレストランで修業を積み、世界最速で一つ星を獲得した白金台「TIRPSE (ティルプス)」のシェフを務めた、経験と実力を兼ね備えた気鋭の料理人である。春田氏が生み出す料理は、フレンチ×ノルディックそしてアメリカ西海岸のセンスを巧みに交錯させた、これまでの東京モダンフレンチの料理とはまるで似て非なるものである。
コースは事前予約限定の、おまかせ(全18品)の一本のみ。まず初めに、北欧スタイルで数種のスナックがぽつぽつと順番に供されるのだが、その小さなフィンガーフードに詰められているのは、ユニークな遊び心と凝縮されたうま味。北欧スタイルながら、日本人らしいうま味の引き出し方がすでに春田シェフの才能を垣間見せている。また、レストランでは料理の合間につまむ存在である「パン」を、コースの一品(つまり主役)として供するのも、『Crony』の大きな特徴。サンフランシスコ名物の「サワドー」は、香ばしい表面と中身のしっとりもっちりと焼かれた絶妙の食感バランス、そして少し酸味のある風味と味わいで、食べる物を一瞬にして虜にしてしまう。コース内容は少しずつ変化し、約2カ月経つとすべての料理が総入れ替えされるという。季節の移り変わりを待たずして、その微細な進化の過程を見届けたくなってしまうほど、『Crony』が紡ぐ料理の世界は面白い。
『Crony』とは、日本語で「永続的な茶飲み友達」という意。ゲストにとって、「ずっと一緒にいても心地よく、素直な自分でいられ、 気兼ねない会話ができる仲間」のような存在でありたいという、メッセージが込められている。オープンキッチンを奥に置くダイニングには、個室・テーブル席・カウンターがあり、特注の北欧インテリアやヨーロピアンの壁紙、そして心地いいライティングによって、上品さと温かみが演出されている。デートやカジュアルな会食、そして個室接待など、様々なシチュエーションで美食の時間を堪能していただきたい。
※世界的グルメガイド東京 2023年度版にて二つ星を獲得
"カンテサンス で修業を積んで独立したお店"でCronyをご紹介
【アクセス】
■都営大江戸線赤羽橋駅中之橋方面出口より徒歩1分