本場イタリアで修業した料理人は数知れない。しかし中でも異彩を放っているのが、多くの星付きレストランにて研磨した後、凱旋帰国した近藤正之氏である。名実ともに才気溢れるベテラン料理人は、2016年2月にオープンした新店『リストランテセンソ』のシェフとして日本の厨房に立ち、多くのグルマンの心をときめかせている。
東京・白金台は、「ルカンケ」や「OZAWA」をはじめとするフレンチやイタリアンの名店が並ぶ、上品なグルメの街である。この洗練された土地で、「地の食材を使って調理する」というイタリア料理の基本にならい、近藤シェフは東京の食材をモダンなイタリア料理に昇華させる。コースの初めに出される軽いスナックは、小さく・可愛く・美味しく・愉しく、食べ手の心をつつく。「Verde=緑」と名付けれらた、緑の野菜ばかりを使用した一皿では、素材がもつ色味の美しさや味わいの濃さが表現されており、食べ手の心と舌をしっかりとつかむのだ。姉妹店である目黒「トラットリア・デッラ・ランテルナ・マジカ」のカジュアルレストランとは完全に差別化された、イノベーティブなスタイルを貫いている。一本の太い幹から幾重にも枝分かれした幅広い世界観で、近藤イタリアンは白金台の街に浸透していく。
アーチを描く煉瓦作りのエントランスを入ると、店内は白を基調としたシンプルな空間で、ダークブラウンの木目が温かみを感じさせる。ランチタイムは土曜日のみ営業しており、カジュアルな会食や週末デートにオススメである。イタリア好きの友人や、イタリア料理のいまを愉しみたいグルマン同士の会食など、感度の高いメンバーで体感していただきたいレストランである。
【アクセス】
■都営三田線、東京メトロ南北線「白金駅」1番出口より徒歩3分