賑やかな六本木の表通りから少し歩き、西麻布の路地を入ったビルの2階に立地する『料理屋 こだま』。新日本料理、創作和食と称されることが多いが、店主としては「純然たる日本料理」という意識で作られている独自の日本料理が評価されている。
店主の小玉勉氏は、懐石料理店やそば店、寿司店など様々な業種の店で働いた経験がある。しかしあくまで自身の料理の基本は料理文化や化学、物理の本まで読み込みその中から理論的に作り上げてきたもの。形やおいしさだけでなく、食べた人がより健やかになれるようにと考えて作られた料理は、火入れひとつにしても、加熱しすぎて酸化させるようなことがないようになど、考え抜かれた調理法が施されている。とはいえ見た目やおいしさも折り紙付きで、茶道や華道にも通じ、盛り付けでも目を楽しませる。器は作家ものが中心で、料理に合わせオリジナルの器を作ることもあるほど。器と料理の相乗効果が、店主の料理の世界をさらに飛躍させている。
料理はおまかせのコースのみ。強い味わいの調味料をできるだけ控え、素材そのものの味を最大限に活かした、一期一会の料理がゲストを楽しませる。店主オリジナルの「鮑蕎麦」は、多くの食通を唸らせており、これを目当てに来店するゲストも少なくない。料理を引き立てるアルコール類は、日本酒を中心にご用意。こちらも飲みやすく体に優しいことを基準に、店主自ら飲んで悪酔いしないことを確かめた良質のものが厳選されている。
「我が家にお迎えしたように、リラックスしていただきたい。」と、カウンター10席を中心に、8名様まで入れる個室をご用意。キッチン部分が低くなるように設計されており、カウンター席から作り手の手元がはっきりと見え、安心感を与えてくれる。一方個室は年齢制限がなく、子供連れの家族客にも重宝される。上質で寛げる空気感のなか、小玉氏が作り出す料理の世界をぜひ一度ご堪能頂きたい。
■アクセス
東京メトロ日比谷線 六本木駅 2番出口 徒歩12分
東京メトロ千代田線 乃木坂駅 6番出口 徒歩11分