京都御所からほど近く、地下鉄「丸太町」駅から徒歩5分ほどのマンションの一階部分に、落ち着いたたたずまいを見せる懐石料理店『木山』。2017年4月のオープンで、早くもグルメガイドの一つ星を獲得している注目店だ。
店主の木山義朗氏は、19歳から『和久傳』で16年間修業し、その内10年間料理長を務めた実力者。開業にあたり、店の付近においしい水が湧く水脈があるという評判を聞いた木山氏は、自店用に井戸を掘削し、やわらかな清水とのご縁を授かった。またもう一つこだわったのが、和食の基本であるだし。ゲストの目の前で削った鰹節を使用し、目でも楽しめるだけでなく、最も香り高く澄んだだしをひいて、お椀に使用。鰹節は節々の味見をし、塩味や酸味の含有度を確かめながら選び、3種類の節類をブレンドして使うことで味わいを常に安定させている。
料理は昼夜ともコースで、白湯にはじまり、季節の食材と極上のだしを取り入れた料理が続く。「雲丹の卵とじ」など毎回変わるひとひねりしたご飯ものも、ゲストの楽しみの一つ。最後はお薄(薄茶)で〆となる。盛り付けには日本や中国の骨董品から作家ものまで多彩な器を料理に合わせて使い分けるこだわりも。木山氏はお酒も好きで、常時20~30種類の日本酒、ワインセラーには80本のワインを取り揃えている。
店舗は無垢の木を基調にし、料理と同じくすっきりとしていて温かみのある空間。カウンター9席、4~7名用と4~6名用の2つの個室があり、デートや接待、友人同士の食事会など、さまざまな用途に向く。落ち着いた雰囲気のなか、懐石料理の奥深さを感じてみてはいかがだろう。
※世界的グルメガイド京都・大阪 2023年度版にて一つ星を獲得
■アクセス
京都地下鉄烏丸線「丸太町」駅5番出口より、徒歩5分