素材からこだわり抜いた肉料理を、日本料理の形式で提供する“肉割烹”。肉料理の新たな可能性や価値観を生む業態として、近年、ますます注目が高まっている。2017年11月に開業した『肉割烹 ゆうざん』も、そんな肉割烹のスタイルを貫く1軒だ。
料理長の坂本俊介氏は、実家が秩父で四代続く鰻屋を営んでおり、自身も職人仕事を究めたいと考え、料理の世界へ進んだ。すっぽんや河豚、鰻などの専門店で5年間修業を重ね、一度は実家に戻るも、東京で出会った鉄板焼きの師匠に素質を見込まれ、上京。25歳より銀座『鉄板焼 かいか』にて7年間、 研鑽を積んだ。
坂本氏が魅了されたのは、少ない手数で仕上げる鉄板焼きの奥深さと、ゲストの前で料理をするカウンターならではのライブ感。これまで培った経験をもとに、目の前のゲストの好みや食べる量、スピードなどを予測しながら、どのようにコースを組み立てていくかを俊敏に判断し、きめ細かなサービスを実践している。
メニューは、炭火焼の黒毛和牛をメインに据えた割烹仕立てのコースが看板商品。メインの黒毛和牛は、ランイチ、サーロイン、ヒレなどから選ぶことができ、特にヘルシーで赤身の美味しさを味わえるヒレの人気が高い。さらに、注目すべきはその味付け。煎り酒やいちがらしといった日本古来の調味料や、オイル不使用のオリジナルドレッシングなどを合わせ、新たな肉料理を創造している。
華やかな味わいのワインをはじめ、厳選したお酒とのペアリングもぜひ試していただきたい。また、四季の器にこだわる日本料理の精神を取り入れ、料理が盛られる器は、魯山人や現代作家の一点物を中心に使用している。
店内は、モダンな和の雰囲気で、カウンターのほか個室も2部屋用意。銀座の中心街にありながら会話と料理を落ち着いて楽しむことができ、接待や会食、記念日にも利用しやすい空間となっている。
■アクセス
東京メトロ「銀座」駅 B3、A2番出口より、徒歩3分