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海と山に囲まれ、食材の宝庫としても知られる山口県。この地で、住所や電話番号が非公開にも関わらず、中国地方で最も予約が取れないと言われるフランス料理店が『ル ソルシエ』。ランチとディナー共に1組限定で、国内外のシェフからも一目置かれる、知る人ぞ知るレストランだ。
オーナーシェフの橋本桂一氏は、大阪の調理師学校を卒業後に上京。都内のフランス料理店を中心に修業し、いくつかのレストランでシェフとしても活躍。そして、2015年7月、地元である山口・周南市に『ル ソルシエ』をオープン。世界的な美食ガイドでは、山口県の西洋料理ジャンルで1位を獲得している。
料理は、食材や器からのインスピレーションをパズルのように組み立て、風景の見える一皿を生み出す。テロワールを意識し、無農薬栽培の野菜と果物、エソやアマダイなど瀬戸内と日本海の幸に、「あとう和牛」「むつみ豚」、天然記念物の血統である「長州黒かしわ」など、食材の七割以上に山口産を使用する。
例えばある日は、瀬戸内圏の食材、天然真鯛と海苔に、海藻を肥料に育てた地産ハーブのマリアージュを構築。それを瀬戸内の島で焼かれた青い器に盛り付け、料理の向こう側に波音が聞こえてくるような一皿に仕上げている。橋本シェフの内面と「地方におけるフランス料理の在り方」に向かい続けて生み出された料理は、ヨーロッパのメディアも注目。誰かの模倣でないオリジナリティ溢れる品々が、多くのゲストを魅了している。
外観からはレストランだと想像がつかない入口のドアを開くと、テーブルが一卓。ランチは最大6名、ディナーは最大4名までが着席でき、非日常のレストランでありながら、シェフのプライベート空間に招かれたような感覚も覚える。「食に関わる動きの中で地域の魅力を発信していきたい」と語る橋本シェフ。このレストランで創作される山口食材の新表現を感受しに、遠出してでも訪れたい名店だ。