祇園の名所「巽橋」のほど近くにひっそりとたたずむ『祇園新橋中谷』。新橋通から路地をのぞくと目に入る格子の行灯が目印だ。まさに隠れ家という言葉がふさわしい店構えは、祇園ならではの趣をたたえる。
店主は、京都の有名ホテルをはじめとする名店で研鑚を積み、和食一筋20余年という実力派、中谷一郎(ナカタニイチロウ)氏。厳選した利尻昆布とマグロ節を用いて上品な香りと深みを引き出した出汁を基本に、市場では出回らない淡路島直送の珍しい天然魚をはじめ、契約農家から届く京野菜等の旬素材をつかった料理が自慢。中でも得意とするのは創意工夫を凝らした豪華な八寸、季節ごとの素材で仕上げる土鍋ごはん。器の上で巧みに表現された四季の味覚を思う存分満喫できる。
「格式が高いと思われそうな場所ですが、ひとりでも気楽にお入りください」と店主の中谷氏。清々しい白木のカウンターを配した店内には凛とした空気が漂い、さりげなく設えられた季節の花に細やかな心遣いを感じる。
カウンターで店主の手さばきを楽しみながら友人と親睦を深めるもよし、掘りごたつの座敷でビジネスシーンの会食や特別なゲストをもてなすもよし。美食と美酒で、豊かな時間をお過ごしいただける一軒である。
■アクセス
京阪線「祇園四条」より、徒歩5分
京阪線「三条」より、徒歩6分