北海道随一の繁華街「すすきの」の中心地に店を構える『すすきの浪花亭(なにわてい)』。市営地下鉄「すすきの」駅からも近く利便性が高い。高度成長期に大阪から移り住んだ先代夫婦が、1962年に創業した老舗で、舌の肥えた地元客から観光客まで、幅広い客層に人気の料亭である。
かつて先代は、慣れ親しんできた関西の味を北海道の地で再現しようと、さまざまな工夫をこらしてきた。食材の仕入れもその一つで、北海道の豊かな食材を取り入れつつ、関西からも空輸で食材を仕入れるなどして、懐かしい味わいが楽しめると評判になった。現在は代が移り、先代の息子・村井弘治氏と弟・隆氏の兄弟で店を切り盛りしている。それぞれ本州の店で修業し、吸収してきたものを自店に取り込んで、伝統の上に新たな魅力を積み上げてきた。
料理は旬の食材をテーマに、北海道をはじめ全国から希少な山海の幸を自ら目利きして集め、創作性も交えながら、食材のおいしさを一つひとつ丁寧に引き出す。例えば網走から仕入れる釣りのキンキは、塩焼きで味わってもらった後、中骨を炙って吸い物のだしに。A4~A5ランクの北海道産和牛ヒレ肉は、創業以来名物の赤ワインとたまり醤油のタレで和風ステーキにし、締めには焼飯にして余すところなく味わってもらう。これらの名物料理に加え、旬のアスパラガスをホッキ貝やホタテ貝とともにバター焼きにするなど、北海道の味覚を存分に味わえる、日替わりの料理の数々でゲストをもてなす。アラカルトとコースを用意し、北海道の食材づくし、時期によっては天然フグやスッポンのコースなど、ゲストのリクエストにも柔軟に応じてくれる。酒類は北海道の酒蔵の日本酒をはじめ、全国の銘柄を揃える。
客席は、白木の檜のカウンター14席に、掘りごたつの個室を用意。接待や特別な日の利用にも向き、最近では海外からのゲストも増えている。『すすきの浪花亭』ならではの極上の料理ともてなしを体感できる、すすきのの地を訪れる価値のある老舗料亭である。
■アクセス
札幌市営地下鉄南北線「すすきの」駅 2番出口より徒歩1分