日本中から最高級の食材が集まる東京・築地。市場とは少し離れた築地本願寺の裏手に2017年9月に開業したのが、『鮨 桂太(けいた)』。北海道出身の店主・青山桂太氏は、札幌の二つ星『鮨菜 和喜智(わきち)』を経て上京。『鮨 水谷』で2年半、『鮨 太一』で3年半と、銀座の鮨店でさらなる研鑽を積み、30歳で独立。2019年度版の世界的グルメガイドブックにて、一つ星を獲得した。
開業の地に選んだのは、上京以来青山氏にとって馴染みがあったという築地。「記念日だけでなく、何でもない日常にもご来店いただける鮨屋にしたい」という想いから、すべてのゲストが肩肘張らずにリラックスしてお食事を楽しめる雰囲気づくりに心を配っている。物腰やわらかな青山氏とサービスを担当するマダムの温かな人柄も、抜群の居心地のよさを生む理由。初めてのご来店でも、緊張せずに心ゆくまで極上の鮨を味わえる。
数々の名店で学んだ江戸前鮨の仕事を自分なりに融合させながら、さらなる高みを目指している青山氏。バランスのとれた一体感のある味わいを意識し、熟成や酢〆などを過度ではなく、素材の持ち味を引き出すことに専念。タコは開店を見計らって茹で上げ、アナゴは直前に蒸らして温度を上げるなど、ゲストが口に入れるまでの温度にも気を配り、最良の状態で提供する。特に味わっていただきたいのは、ハマグリ、コハダ、サバなど、丁寧な下処理が必要とされるもの。赤酢のみで仕上げる酢飯と合わさると、酸味・うま味・香りが見事に融合し、美味が口中を駆け巡る。
店内は、檜のカウンターを囲む8席のみ。華美な装飾を排した内装で、朗らかなご夫妻のおもてなしを受けながら、心ゆくまで鮨と向き合える空間である。
※世界的グルメガイド東京 2023年度版にて一つ星を獲得
■アクセス
東京メトロ日比谷線「築地」駅より徒歩4分