北九州・JR小倉駅から徒歩10分、大通りから一本入った静かな場所にたたずむ、隠れ家フレンチレストラン『サンテミリオン(Saint-Emilion)』。『サンテミリオン』とは、フランス南西部の小高い丘の上にある小さな街のことで、ワイン用ブドウの銘醸地としても名高い。
シェフ・渡邉伊一郎(ワタナベ イイチロウ)氏は、1995年に渡仏し、ブルターニュ『パトリック・ジェフォア』やボルドー『シャトー・グラン・バライユ』など、フランスやイタリアの有名レストランで修業し、帰国後には、六本木『ラ・スウィット』とオーストリア大使館で料理長を務めたという華々しい経歴を持つ。そして2007年に独立し、生まれ育った福岡・小倉にて『サンテミリオン』をオープンした。
『サンテミリオン』でしか体験できない料理を提供したいと、渡邉シェフは地元食材を積極的に取り入れて料理を開発。野菜は福岡・宗像市の無農薬栽培の農家から直送し、水は名水で知られる小倉・合馬の天然水を週2回汲みに行くなど、労を惜しまずこの地ならではの食材を取り入れる。また、海の幸に恵まれた九州の地の利を活かし、春は山口・角島のアマダイ、夏は小倉・藍島のウニ、秋は長崎・壱岐のノドグロなど、季節ごとに極上の地元産魚貝類を使って、『サンテミリオン』の名物の一つともいえる魚料理を生み出していく。
料理法では、”温故知新“を念頭に基礎を重視。その一方で、日本の食材をメインで使用するため、海外の料理をそのまま再現することは難しい。例えばジャガイモでも、フランス産と日本産では特徴が異なるため調理法を変えるなど、和食の考え方や調理法も一部取り込みつつ食材に応じて料理を再構築。だしに漬けて下味を入れるといった和食の手法も使いながら、経験を活かした見事な手腕でフランス料理の一皿として仕上げている。ワインはフランス産をメインに約100種類を取り揃え、料理とのマリアージュも楽しめる。
落ち着いた雰囲気の店内は、随所に季節の生花を飾り、温かみのある空間に。テーブルは2名席、4名席、6名席を用意。この地、この店ならではの一皿に出会うため、四季折々に訪れたい一軒だ。
■アクセス
JR「小倉」駅より徒歩10分、
北九州モノレール「平和通り」駅より徒歩5分