広島の「大人のファッションストリート」の通称・地蔵通り、富士見町にあるフレンチレストラン『hiroto(ヒロト)』。中国四国の西洋レストランでは、最高にして唯一の二つ星評価を得ている。オーナーシェフ・廣戸良幸氏は、辻調理師専門学校を卒業後、広島と東京のレストランを経て、「世界のベストレストラン50」に選ばれた、イギリスの一つ星『ハイビスカス(Hibiscus)』で、クロード・ボシ氏に次ぐ二番手シェフとして活躍した。
廣戸氏のコースは少量多皿スタイルで、50品目以上の食材がコンビネーションされる。「私の表現したい味を求めているだけで、余計な事はしないシンプルな料理なのです」と、廣戸氏。「一皿=一つの料理」と認識し、例えば、飾りのためだけにハーブを乗せるようなことは一切しない。一皿を構成するための必要不可欠な「味の要素」として、意義をもってハーブを添える。ピュレや、自家製のフレーバーオイル、炭ニンニクやハイビスカスのパウダーなど、食材を様々な形で用いて、五味、温度、香り、食感などを一皿の上に組み立てていく。例えば、「トマトのタルト」は、焼立てのタルトを塩ヨーグルトのアイス、イベリコの生ハム、自家製リコッタ、レモンバジル、黒胡椒、バジルオイルで組み立て「一口で一緒に食べてください」というプレゼンテーションだ。口中で各々の素材感が絶妙なハーモニーを奏で、類い稀なる料理センスを感じさせる。
ワインはブルゴーニュの特級クラス、アルマンソーやDRCなど400種2,000本以上をストック。「ムルソー プルミエ・クリュ シャルム」「シャサ-ニュ・モンラッシェ」「シャトー・グラン・ピュイ・デュカス」「ペルナン・ヴェルジュレス」などの高価なワインもグラスで1杯から提供する。テーブルやカウンターは全てブビンガの無垢一枚板で、イスは「カイクリスチャンセンNo.42」、食器はリモージュ窯、ワイングラスはロブマイヤー、リーデル ブラック・タイなど、ラグジュアリーを徹底している。抜かりなくトータルコーディネイトされた、広島随一のレストランである。
■アクセス
広島電鉄1系統(宇品線) 「中電前町」駅より徒歩10分
JR「広島」駅よりタクシー10分