京都・祇園四条駅から徒歩5分、花見小道通から一本入ったビルの一角にひそやかに暖簾を掲げる『ユキフラン 佐藤』。茶道や骨董にも造詣のある店主が造り上げたカウンター8席のみの落ち着いた空間で、旬の食材を使った心づくしの料理でゲストをもてなす。食材に寄り添う真摯な店主の姿勢や、器との組み合わせも計算しつくした美しい料理が評判の日本料理店である。
店主の佐藤功一氏は、大学で日本の木造建築を学ぶ傍ら、茶道についても手ほどきを受け、和の文化や料理への関心を深めていった。卒業後に料理の道を選び、嵐山の割烹『おきな』(閉店)で6年、東京・目白の懐石料理『和幸』(閉店)で2年修業を重ね、2013年8月、あこがれの地であった京都・祇園に『ユキフラン 佐藤』を開業した。
「美味しいのは当たり前。その季節が来たらまた食べたくなったり、食べた感動を人に伝えたくなったりするような、美味しさを超えたその先を目指しています」という佐藤氏。初夏には美山町や上桂川の天然鮎を使用するなど、季節ごとの旬食材を厳選しつつ、印象的な料理に仕立てる。また、料理と器との組み合わせは、コース全体のリズムを考えた組み立てになっており、染付や焼き物、ガラスなど多彩な器が料理をさらに引き立て、ゲストの目と舌を楽しませる。好みの飲み物が選べるようにと、日本酒やワインはそれぞれ5~10種類ずつ用意。
人間国宝の濱田庄司氏の「良い材料 正しい技術」という書をはじめ、骨董屋で集めたこだわりの品々が店を飾り、独特の心地よい雰囲気を醸し出す。“ユキフラン”という印象的な店名は、この店が“幸(ユキ)が降ってくる庵”になればという思いから生まれた言葉で、佐藤氏のゲストへの真心が響いてくる。グルメな方向けの接待から、デートや家族での記念日など、食を楽しみたい様々なシーンでお勧めできる。佐藤氏の作り出す空間と料理に酔いしれる幸せな時間を、ぜひご堪能あれ。
■アクセス
京阪本線「祇園四条」駅より徒歩5分