福岡・小倉の、表通りから一本入った静かな場所に、さりげなく小さな看板を掲げる『Bisteria Bekk (ビステリア ベック)』。オーナーシェフ・菅沼康二氏は、福岡・北九州・京都でイタリアンの経験を積み、出身地である地元・小倉にて2012年に独立開業。現在の場所には2016年8月に移転オープンを果たした。店名の“Bisteria(ビステリア)”とは、菅沼シェフによる造語で、トラットリア以上リストランテ未満という同レストランの幅広い楽しみ方を示したもの。また、“Bekk(ベック)”というちょっと変わった独自の綴りの造語も、覚えやすく、かつどこかミステリアスな雰囲気を表している。
食材は、ポルチーニ茸やトリュフといった特殊なものに限りヨーロッパ産で、魚介は近海もの、野菜もほぼ九州産と地場食材にこだわり、九州・小倉の地でしか提供できない特別なひと皿でゲストを魅了する。アラカルトは郷土料理がメインで、例えば、本来のレシピであれば煮込みっぱなしの素朴な肉料理にもひと手間加え、さらにおいしく工夫するのが菅沼シェフ流。イタリア現地の郷土料理の特性を生かしながら、『Bekk』流にさりげなく洗練させていく。また、コースではより創作性を高め、独自のアレンジを加えた料理を中心に構成し、ゲストのイマジネーションを心地よく刺激する。また、粉もの好きの菅沼シェフが仕込む、7~8種類の手打ちパスタや乾麺のパスタも、『Bekk』名物の一つである。ワインはイタリアワインが中心で、食前酒や食後酒も取り揃えている。
ダイニング全体が見渡せるフルオープンのキッチンで、スタッフ一人一人のきびきびとした仕事ぶりを眺めるのも楽しい。シェフと会話を楽しみたい時にカウンター席を選んだり、接待や記念日利用には落ち着いたテーブル席を選んだりと、シチュエーションに合わせて使い分けるのがオススメ。食に興味がある方、食べることが純粋に好きな方にこそ、この土地でしか味わえない『Bekk』の料理をぜひ堪能していただきたい。
■アクセス
北九州高速鉄道「旦過」駅より徒歩3分