JR横浜駅西口から徒歩約13分の浅間町にたたずむ日本料理店『みやかみ』。通称「奥横浜」と呼ばれ、カジュアルな飲食店が増え続けるエリアで、上質な日本料理がいただける良店として人気を集める。店主・宮上圭介(みやかみ けいすけ)氏は、『東京吉兆 帝国ホテル店』で13年研鑽を積み、独立。2013年に故郷の横浜で『みやかみ』をオープンした。
修業先の『東京吉兆』といえば、食材を生かした正統派の日本料理で知られ、彩り豊かな八寸などが特徴的。「一流料理店の味を横浜で楽しんでほしい」という想いで開店した宮上氏も、食材に極力手を加えないのが信念で、素材の味を引き出す料理を得意とする。看板メニューは、スッポン料理と八寸。椀や「まる鍋」で味わえるスッポンは、通年ほぼ天然ものを提供。仕入れは、毎日通う築地の「尾坪水産」。有名日本料理店を顧客に持つ鮮魚店である。八寸には必ず自家製のカラスミが入れるなど、老舗日本料理店で培った調理技術をいかす。
夏は天然ウナギ、冬は天然トラフグや天然クエも楽しめる。ウナギは熊本県天草産が中心で、1キロ前後の大きめで肉厚なものを蒸さずに白焼きで。また自慢の米は、魚沼市の福山産。『みやかみ』専用の田んぼを用意してもらい、田植えと稲刈りの時期は、宮上氏自ら現地に足を運ぶ。その米を雪室貯蔵でゆっくり糖熟させるのが、他店にはない唯一無二の特徴の一つ。羽釜で炊かれるご飯で、その熟成された甘みとうま味を感じることができる。日本酒は、宮上氏と同じく『東京吉兆』でキャリアを積んだ女将厳選のものが20種類以上あり、ワインは、ソムリエの資格を持つ宮上氏がテイスティングし、フランス産から国産まで幅広く揃えている。
障子を基調とした店内は、屋久杉の流木を使ったカウンターや、畳風の敷材を床に使った個室があり、落ち着いた和の空間を演出。器は京焼や輪島塗など季節の景色が描いたものをそろえ、『東京吉兆』から教わった一期一会の精神から、毎月器を変えて提供している。家族、友達、同僚などさまざまの人々と、さまざまなシチュエーションで一流料理をゆったりと和やかに味わうことができる「奥横浜」の日本料理店である。
■アクセス
JR東海道本線(東京〜熱海) 「横浜駅」西口より徒歩13分
JR横須賀線「横浜」西口より徒歩13分