広島県東部・福山駅から車で20分ほどの郊外にある、フランス料理店『ラルドワーズ (L'ardoise)』。まるで森の中にあるような印象の一軒家レストラン。『ゴ・エ・ミヨ2018』など、フランスの有名ガイドブックにも名を連ねている。
腕をふるうのは、藤井 文雄(ふじい ふみお)シェフ。藤井シェフは高校卒業後、神戸『ジャン・ムーラン』の美木剛シェフに師事し、その後、地元福山で父親が経営するフランス料理店勤務を経て、渡仏。フランス・マルセイユの三つ星『ルプティニース』で修業した後、パリへ移り、ビストロ『ラルドワーズ』のピエール・ジェシェフの元で働く。料理はもとよりワインの美味しさなども学び、ここでの約一年半の経験は帰国後の藤井シェフに大きな影響を与えることになる。そして2007年福山に戻り、ピエールシェフから暖簾を分けてもらった店名で、自身の店『ラルドワーズ』をオープン。地元に支持され、世界的グルメガイドにも掲載されるレストランとなった。
「福山で地元に愛される地元民御用達のレストランが目標」という藤井シェフ。「地場産フレンチ」をコンセプトに、地場の食材との対話を楽しむために山に入り、海に行き、川を上り、自身の掌で感じる地場産の温度をそのままに、フランス料理の技法を使って地元食材のポテンシャルを最大限に発揮させた料理を、まずは地元の人々に味わってほしいという。例えば、世羅郡『いわた屋』のジビエ、北広島町『前ファーム』の仔羊、三次市『三良坂フロマージュ』のチーズ、ウニは瀬戸内・宮窪の赤ウニなど、魚介は毎日朝市に出かけ、自らの目利きで厳選して仕入れている。野菜は農家から直接買ったり、時には地元の朝市で仕入れたり。旬の料理は、春の「ホワイトアスパラのスープ」や「蕗の薹(ふきのとう)のアイスクリーム」、夏は「夏鹿のロースト」や桃のデザート、秋には香茸や松茸を使ったキノコ料理や仔羊料理、冬ならジビエやカキを使った料理やリンゴのデザートなど。四季折々に地元の旬が堪能できるのも「地場産フレンチ」だからこそ。ワインのセレクトに悩む場合は、ソムリエによるワインペアリングの提案もオススメ。また、酒どころの広島ならではの、福山『天寶一(てんぽういち)』や東広島『亀齢(きれい)』など、日本酒も揃う。
内装は、パリ『ラルドワーズ』のピエールシェフに招かれた、マコンにある実家の建物を参考にデザイン。地元作家に発注したカトラリーや器も、白と茶色を基調とした店内に溶け込み、落ち着いて食事を楽しむことができる。ダイニングにはテーブル32席のみ。地元愛あふれる唯一無二の「地場産フレンチ」を、家族や友人との会食でも、デートでも、安心してご堪能いただきたい。
■アクセス
JR福山駅からタクシーで20分
JR福塩線・万能倉駅から徒歩20分またはタクシーで5分