石川県金沢市を流れる犀川(さいがわ)のほとりにある二つ星『料亭 杉の井 穂濤(ほなみ)』は、明治末期の邸宅を数寄屋造と書院造の座敷を有する料亭に改装した風情あるたたずまい。金沢の食文化、料亭文化を満喫してもらおうと、二代目主人の越沢 晃一郎(こしざわ こういちろう)氏が客をもてなす。
『杉の井 穂濤(ほなみ)』の跡取り息子として生を受けた越沢氏は、早稲田大学卒業後の1980年、大手ビールメーカー・サッポロビールへ。10年間勤務し、1990年『杉の井 穂濤』に戻り、2012年より二代目主人として料亭を切盛りする。「本来の料亭の形を残す本物の場所で、本物の料理を楽しむという本質を伝えたい」と話す越沢氏。格式を重んじながらも、国内外のリゾート施設からヒントを得た寛ぎの真価や新しいもてなしのスタイルを模索し、2004年に『和甘味つぼみTSUBOMI』を開店。2017年には昼膳と日本酒バーが楽しめる『杉の井 穂濤 離れ』を料亭隣に開き、料亭の新スタイルを追求。
海の幸、山の幸と四季折々の新鮮な食材に恵まれる金沢。『杉の井 穂濤』の料理は、味はもちろんのこと、料亭の寛ぎを大切にし、素材の滋味を愉しんでもらうため、余計な味付けや火入れはせず、素材のもつうま味を楽しめる料理。長年ゲストから愛され続けている「くずきり」では、奈良県吉野の本葛の根のみを使用するなど、徹底した食材へのこだわりが、『杉の井 穂濤』のすべての名物料理を引き立てている。日本酒は昔からなじみのある地元の酒蔵を中心に、常時20種類ほどを用意。ワインは勝沼醸造「アルガブランド」などを置く。
石畳の道を通り、玄関から部屋に入ると、目の前に150坪の見事な日本庭園が広がる。四季の山野草が愉しめる構造も越沢氏の意向。また、金沢は戦火や災害を逃れた町ゆえに、掛け軸や建具など古くからの道具や器が残っており、情緒あふれる空間を堪能できる。庭園、しつらい、おもてなし、器など、全てに『杉の井 穂濤』らしさを込めて客をもてなす。大小さまざまな個室6部屋は、2~30名以上で利用可能。カップル・家族・仕事仲間で、〝料亭で愉しみたい〟と思う人生のあらゆるタイミングにおいて訪れていただきたい、由緒正しき二つ星料亭である。
■アクセス
北陸新幹線・JR北陸本線(米原〜富山) 金沢 正面東口 タクシー10分