沖縄・美栄橋駅から徒歩10分、松山の繁華街から少し離れた静かな場所にある『鮨 いすけ』。大将の井戸向 大輔(いどむかい だいすけ)氏は、実家が鮨屋ということもあり、16歳から自然と鮨職人の道へ。実家の鮨店で4年間学んだ後、20歳の時に大好きだった沖縄に移住し、沖縄・那覇市『かわじ本店』で11年修業。2013年に独立して『鮨 いすけ』を開業した。
井戸向氏が目指したのは、正統派の江戸前鮨。沖縄特有の魚はあえて使わず、日本各地から空輸で届けられる新鮮な旬の魚介類に、江戸前の伝統技法にのっとった仕事を施す。職人の力量が顕著にあらわれるコハダは、丁寧な仕事で繊細な味わいを引き出した逸品。ふっくらとやわらかく仕上げたアナゴや、修業先の『かわじ本店』同様に黄身と白身を二層に焼き、中は半熟に仕上げた玉子も名物の一つである。また、出身地である北海道産の魚介にも力を入れ、昆布〆にして炙ったキンキ、新物のイクラなども旬の時期に登場する。お酒は日本各地の日本酒を常時10種類ほど取り揃えており、春は新酒のにごり酒、夏は夏酒、秋はひやおろし、冬は初しぼりなど、大将が厳選した四季折々の日本酒が並ぶ。
シンプルで清潔感のある店内は、カウンター7席と、4名まで利用可能な掘りごたつ式のお座敷個室が一部屋。ライブ感のあるカウンターでは、大将の見惚れるような所作を臨み、井戸向氏の人柄にも触れる。江戸前鮨の本当のおいしさを知りたいという地元の方をはじめ、沖縄で本格的な江戸前鮨を楽しみたいという旅行者まで、満足いく仕事と温かなおもてなしで、有意義なひとときをお過ごしいただきたい。
■アクセス
ゆいレール 美栄橋 徒歩10分