大阪・北新地を代表するレストランのみが入居する「新ダイビル」。その2階に、一つ星の鮨店『寿し処 黒杉(くろすぎ)』はある。広島で漁師を営む両親のもとで育った、店主・黒杉 章宏(くろすぎ あきひろ)氏は、お客様の目の前で料理ができる鮨職人に憧れ、高校卒業後、全国展開している江戸前鮨店へ就職。ホテルニューオータニ大阪『乾山(けんざん)』などで12年研鑽を積み、2003年に若干30歳で独立。開業10年の節目に、現在の場所へ移転した。
仕入れる旬食材は、マグロ専門仲卸『やま幸』のマグロなど、豊洲(旧:築地)市場からからが半分、残り半分は日本全国の産地から直送しており、鳥取のカニやノドグロ、大分の牡蠣など、季節ごとに旬の魚介類を味わえる。江戸前の鮨を主体としながら、関西の食文化にも考慮して進化を続けてきた黒杉氏の鮨。例えば酢飯は、硬めに炊き上げたヒノヒカリに、まろやかな酸味の赤酢と塩を合わせ、シンプルで食べ疲れのしない味わいに仕立てる。オープン当初から提供している「ウナギのくりから焼き」や、奈良漬けを添えた「あん肝の煮付け」など、手間暇かけたつまみの数々も評判。「老男男女に楽しんでいただける鮨店でありたい」と話す黒杉氏。移転後ランチ営業を開始するようになったのも、もっと気軽に鮨を楽しんでもらいたいという考えから。加えて、営業中はつねに客席を気にかけながら、料理の提供温度やタイミングといった間の取り方にも細心の気を配り、ゲストが心地よい時間を過ごせるように努めている。スタッフには利き酒師やソムリエもおり、日本酒やワインの品揃えはもちろん、丁寧なサービスも強みのひとつ。
店内は、清々しい檜のカウンター10席をメインに、個室のカウンター9席も用意。気後れせずに食事ができる雰囲気なので、デートや接待、女子会や家族の記念日など、様々なシチュエーションでご堪能いただける。