六本木ヒルズのレジデンス棟にある『茶寮 宮坂(さりょう みやさか)』。大将の五十嵐 庄大朗(いがらし しょうたろう)氏が腕をふるう。
五十嵐氏は福島県出身。京都にある日本料理の名店で修業した後、帰郷。実家の日本料理店の5代目として働いていた当時、修業時代を共にした宮坂 展央(みやさか のぶひさ)氏と出逢い、宮坂氏の右腕として『御料理 宮坂』の立ち上げに従事した。そして2017年、『茶寮 宮坂』の開業にあたり、五十嵐氏が料理長に抜擢されたのだ。
『茶寮 宮坂』は、コースの品数を絞ってリーズナブルに提供している。名物は、本店と同じ「土鍋ごはん」。厳選した米を自家精米し、各地の名水で炊く。煮えばなも提供するなど、本店の世界観がそのまま活かされる。ここだけのオリジナルは、最後にイチゴやマスカットなど季節のフルーツ入りの大福を提供すること。また、「茶寮」ならではのサービスとして、オーガニックのお茶、煎茶、ほうじ茶、国産烏龍茶、沫番茶など、資格所有者の五十嵐氏とスタッフの目利きで、多彩なお茶を揃えている。日本酒は、方向性が異なる30~40種類を用意。メニューに記載されるのは6種類なので、好みを伝えて相談するのがオススメ。ワインは、雑味の少ないビオワインを中心に置く。
「日本料理の華は何といっても出汁」という五十嵐氏の思いから、ランチメニューに「鯛茶漬け」が加わった。ゴマで和えた鯛の切り身を、炊き立てのご飯に乗せて黄金色の出汁を注ぐ。ちりめん山椒やもみ海苔、漬物も添えられ、食後の御菓子と抹茶も付くとあって、日本文化を堪能できると、レジデンスの家族連れや観光客、外国ゲストからも喜ばれている。カウンター8席、テーブル席、個室(4名)2部屋を備えたシンプルで居心地の良い店内は、ビジネスでも、プライベートでも、気軽に和の味と空間を堪能できる都会のオアシスである。
■アクセス
東京メトロ日比谷線 六本木 六本木ヒルズ出口 徒歩5分