富山中心地の繁華街から少し入り、路地裏の静かな一角をほのかに照らす看板の灯りに導かれてたどり着くのが、日本料理『冨久屋(ふくや)』。隠れ家的な立地で、地元・富山の食材を丁寧に扱った、心落ち着く上質な料理を提供。世界的グルメガイドでは一つ星を獲得している。
店主の大屋 丈二(おおや じょうじ)氏は、西麻布『霞町 すゑとみ』(閉店)に勤めた後、富山の実家の蕎麦屋を6年半ほど手伝い、その後独立。2015年に『冨久屋』をオープンさせた。
地元・富山の食材にこだわり、日本有数の漁場として知られる富山湾で水揚げされた新鮮な魚介類など、使用する食材のうち約8割が富山産。また、縁のあった業者から有機野菜やジビエなど特殊な食材を仕入れることで、料理の幅を広げている。さらに、自然に恵まれた富山という地の利をいかし、大屋氏自ら採りに行ったキノコを供することもあり、この地ならではの地の物を味わうことができるのも、『冨久屋』の魅力の一つ。
コースは、先付からデザートまで基本の10品に加え、店主お勧めの逸品を組み込む。“食べてほっと心が落ち着くような、明日への活力になるような料理”を目指す大屋氏の料理は、過剰な味付けを避け、素材を活かすだしを引き、素材ごとの表情を活かして調理する。
華美に走らず、見た目は凛として静か。コース全体のバランスを考えて構成されており、最後まで食べ飽きることなく、すーと体に馴染んでいく。酒類は富山の地酒を中心に日本酒を13~15種類。料理を邪魔しない軽やかで端麗なタイプを取り揃える。ワインも軽めのタイプで、『冨久屋』の料理に合うものをセレクト。
客席はカウンター8席とテーブル席があり、最大20名までの貸切も可能。
お子様連れで利用可能な個室も用意。さらに、同じビルの3階に30~35名入る宴会スペースも完備(使用料別途)。
家族のお祝い事や誕生日などのハレの日利用から、自分へのご褒美まで、気軽に利用できる。落ち着いた客層が集う『冨久屋』にて、和食本来の素晴らしさを感じたいという方に、ぜひお勧めしたい。