鎌倉駅から徒歩約3分。小町通りに店を構える日本料理店『鎌倉ふくみ』。暖簾をくぐり、2階に上がると、大将の池田 吉正(いけだ よしまさ)氏がやさしい笑顔で迎えてくれる。
池田氏は、『銀座あさみ』や京都『梁山泊(りょうざんぱく)』などの名店で日本料理の腕をみがいた後、帰郷。父親が葉山で営む『日本料理 一葉(いちよう)』の二代目として、古都鎌倉の移ろう季節を感じられる料理を提供し、人気を集めた。その6年後の2019年2月、「お客様との対話ができるカウンター割烹で料理を提供したい」という思いから移転。『鎌倉ふくみ』とした新たなスタートを切った。店名は、池田氏が稽古を続けるお茶の先生が命名し、〝幸福を味わう〟という意味が込められている。
「葉山に帰ってきた時から地元・神奈川の食材を使うと決めていた」という池田氏。相模湾、松輪沖、走水沖で獲れる魚や、鎌倉野菜はもちろん三浦半島産の三浦野菜など、新鮮な食材を使う。「自分は農家さんとお客様の橋渡し役」と話し、地元の市場を通さずに仕入れるので、その日その日で食材が変わる一期一会の料理が楽しい。料理のスタイルは古典的なものと新しいものを融合。基本的な日本料理に進化を取り入れる。名物は「焼き胡麻豆腐」。鎌倉は清水食品様の豆乳を使用し、外はパリッと香ばしく、中はとろとろとした食感の絶妙なハーモニーを味わえる逸品に、ファンは多い。日本酒は、池田氏自らが足を運んで選んだ地元・神奈川の酒蔵のものを中心に、新潟・佐渡などの銘酒を約10種類ほど用意する。
和を感じさせる静かな店内。木のカウンター(5席)で、カップルでも1人でも気軽に料理を楽しむことができ、テーブル席では、家族や知人、友人とのお祝いの席や、仕事仲間との会食を楽しむのもいい。四季折々に鎌倉ならではの味を堪能してほしい。
■アクセス
JR横須賀線 鎌倉西口 徒歩5分