札幌市内・円山から車で15分。小別沢トンネルを抜けると豊かな自然が広がる。『AGRISCAPE(アグリスケープ)』は、その農地の中に建つ。札幌市内の人気レストラン『Restaurant SIO(シオ)』の姉妹店として、もともとはタマネギ農家だった場所に2019年4月にオープン。レストラン営業のみならず、野菜生産と養鶏・養豚もおこなっている。「料理は食材を作るところまで遡ることからはじめたい」という思いが込もった、循環型農園レストランである。
シェフの吉田夏織(よしだかおり)氏は、札幌『ル・ミュゼ』、2010年から札幌『Restaurant SIO』で経験を積んだ。そして『アグリスケープ』では、種から選んで育てた野菜や、抗生物質やホルモン剤を使用せず飼育した安心・安全な鶏豚や新鮮な卵を使用し、「キャラメリゼした札幌黄のロースト」「しっとり仕上げた黒鶏プレノワールのロースト」など、自然にならいながらもクリエイティブな料理を生み出している。収穫したばかりの旬の野菜の香りは鮮烈だ。自家農園で採れた野菜を提供する国内の農園レストランの中でも、野菜だけでなく、鶏や卵も採りたて、さばきたてを提供できるというのが『アグリスケープ』の特徴である。食材の生産、飼育、加工、調理すべてを料理のプロセスとして考えるという視点は、厳しくも豊かな北海道の四季と寄り添って生きる『アグリスケープ』の大きな魅力と言えるだろう。お酒はワインが中心で、フランスや北海道産のもの、日本酒も北海道のものを20種類ほど揃え、料理に合わせて最適な一杯を提案している。
店内は木材の温かみを生かし、白を基調としたシンプルな空間で、野菜の彩りを引き立てる。14名が入るメインダイニングと、2~4名で使える個室が2つ。ダイニングの大きな窓からは四季折々の景色が楽しめ、食の時間を通して北海道らしさを体感できる。英語を話せるスタッフがいるので、海外ゲストにも対応可能。店内には直売所も設けられ、採れたての野菜や果物、シェフと親交のある生産者のトマトジュースなど手作りの加工品も並ぶ。札幌市内から交通至便な土地で、北海道の大地で育った野菜を味わう非日常のひとときをぜひ味わっていただきたい。
■アクセス
札幌市営地下鉄東西線 円山公園駅下車 タクシー15分