代々木八幡駅から徒歩7分。にぎやかな渋谷とは一味違う“奥渋谷”と呼ばれる大人の街、富ヶ谷にある店を構える『京料理 阿うん』。だしにこだわり、老舗料亭と同等の高級食材から作られる丁寧な料理をリーズナブルな価格で楽しめるのは、「正統な日本料理を、肩肘はらず、気軽に楽しんでほしい」という大将・小野山 英治(おのやま えいじ)氏の想いがあるからだ。小野山氏は、京都の三つ星老舗料亭『菊乃井 本店』で10年、二つ星『赤坂 菊乃井』で8年修業。その後、カリフォルニアの一つ星日本料理店『Kenzo Napa』で1年半勤め、帰国後に独立。2018年12月、『京料理 阿うん』を開店した。
小野山氏が一番大事にしているのは「だし」。奥井海生堂から届く、収穫後に蔵で寝かせる「蔵囲利尻昆布」と、かつおぶしの最高級品といわれる枕崎の本枯節の削りたてを使用し、丁寧にだしをひく。季節の食材と最高級のだしで作る椀は、格別の味わいだ。作家が丹精こめて作り上げた「信楽 雲井窯」で炊く〆の「炊き込みご飯」もまた、自慢のだしを存分に味わうことができる定番の一品。おまかせコースで使用する食材は、豊洲市場から毎日届く新鮮な魚介や、「京の伝統野菜」が中心。食材を引き立たせるべく、皿の上はシンプルに仕立てる。冬はフグ、夏はハモといった日本料理の旬食材の花形はもちろん、浜名湖「服部中村養鼈場」の「すっぽんと季節の食材のコース」が通年でいただけるのも魅力のひとつ。日本酒は、日本全国から季節のものを常時10種そろえる。
店内は、木のぬくもりが感じられる温かい雰囲気で、L字カウンター12席のみ。段差を設けず、小野山氏の手元がよく見えるようになっており、お客様との会話も自然にはずむ。『京料理 阿うん』での食体験は、家族や友人、同僚との会食やデート、海外ゲストのおもてなしの場にもふさわしいだろう。富ヶ谷の静かなエリアに染み入る日本料理の真髄を満喫していただきたい。
■アクセス
小田急小田原線 代々木八幡駅 南口 徒歩約7分
東京メトロ千代田線 代々木公園駅 八幡方面出口 徒歩約7分