京都市営地下鉄・四条駅より徒歩5分、観光都市・京都の中心地で創業80年を超える名料亭『京料理 木乃婦(きのぶ)』。のれんをくぐり、打ち水がされた長い石畳の通路をぬけると、清浄な空気につつまれる。『木乃婦』は、御所御用達であった料理旅館『木藤』の暖簾分けを受け、昭和10年(1935)に開業。現在の店主、高橋 拓児(たかはし たくじ)氏は『東京 吉兆』で5年修業後、『木乃婦』三代目を継いだ。
『木乃婦』の一日は、高橋氏が毎朝市場に魚介類を買いに行くことから始まる。米、柑橘、春野菜、山野草は青森・長野から。良い食材は全国の生産者と直接取引しているものも多い。
高橋氏のスぺシャリテともいえる『フカヒレと胡麻豆腐のお鍋』。白子のような舌触りの自家製胡麻豆腐とフカヒレとの食感の妙、スープは和風だしに鶏ガラと金華ハムを加えてコク豊かに仕上げる。通年で提供される、ぜひ味わっていただきたい一品だ。
シニアソムリエの資格をもつ高橋氏は、伝統的な日本料理をふまえながら、新しい調理法にも取り組んでいる。フランス料理で使われるフォンやブイヨンなどを料理に取り入れたり、ワインと日本料理をコラボレーションさせたりと、豊かに広がってゆく日本料理の世界がを感じさせてくれる。料理に合わせてワインを40種類、日本酒は東北から九州まで全国から集めた約20種類がそろっている。
店内はすべて個室で、4名からさまざまな人数に対応できる13部屋をそろえる。外国からの賓客を接遇する京都迎賓館を施行した工務店が、迎賓館と同等の質の高い木材を使い玄関を仕上げている。掘り炬燵式の部屋では椅子に座る感覚でくつろぐことができ、また英語対応が可能なので、海外ゲストのおもてなしにもオススメだ。
初めての来店であっても、ご希望や予算に沿ってあらかじめ相談ができ、また、一度訪れたゲストには、次回の献立の希望など過去の来店履歴を踏まえた対応ができる。そのゲストごとの細かい希望に細かく対応してくれるのが『木乃婦』の魅力だ。ぜひ、京都ならではの味わいやおもてなしの真髄を味わっていただきたい。
※世界的グルメガイド京都・大阪 2023年度版にて一つ星を獲得
■アクセス
京都市営地下鉄烏丸線 四条駅 徒歩6分, 阪急京都本線 烏丸駅 徒歩10分