東京の中心地、華やかな銀座のなかでも歌舞伎座を中心に落ち着いた隠れ家のような店が並ぶ、東銀座。東京メトロ東銀座駅から徒歩2分、『木挽町 とも樹』は、その歌舞伎座の裏にある鮨屋だ。
大将の小林智樹(こばやし ともき)氏は、勝どきにあった名店『鮨さゝ木』の先代、佐々木啓全氏に師事。自身が親しんでいた中央区・東銀座に2007年『木挽町 とも樹』をオープンし、2019年から世界的グルメガイドブックで二つ星を獲得している。
食材の仕入れは基本的に豊洲市場から主に仕入れ、さらには現地主義を徹底している。産地直送する食材に関しては、小林氏自身が現地まで足を運び、漁師やセリ場の担当者と話し、食材が育つ環境や流通される現場を視察する。それはすべて、より良いものをきちんと仕入れ、どのゲストにも最高のものを届けたいという小林氏の情熱のあらわれであり、食材に真摯に向き合う誠実さでもある。
この姿勢こそが『木挽町 とも樹』を一流店たらしめている所以だ。酢飯は、師である『鮨さゝ木』の佐々木氏が使っていた白酢を用いて、江戸前鮨らしく強い主張のある風味に仕上げる。ドリンクは日本酒を7種類。どれも、小林氏が蔵元まで見学に行って決めた、鮨に合う自信のあるものばかり。ノンアルコールでは沖縄のフレッシュアセロラジュースがおすすめだ。
木目調で整えた店内はL字型のカウンター9席。落ち着いた内装で、白木のカウンターの美しさが映える。樹齢200年の木曽檜の堂々としたたたずまいから、冬は温かみがあって夏は涼しげな印象を演出している。接待や美食を目的とした友人同士の集まりなどにおすすめだ。海外ゲストのためには、ドリンクの英語メニューを用意し、漁場地図などを見せて魚介類を丁寧に説明。ほかにはない珠玉の鮨を味わいに、東銀座『木挽町 とも樹』を訪れてみてはいかがだろうか。
※世界的グルメガイド東京 2023年度版にて二つ星を獲得
■アクセス
東京メトロ日比谷線 東銀座駅 都営浅草線 東銀座駅 3番出口 徒歩2分