山梨県・北杜市、昔の佐久甲州街道の宿場「長澤宿」だった場所に店を構える『Terroir愛と胃袋(テロワール愛と胃袋)』。八ヶ岳のオーガニック食材を使い、築170年の古民家で営む1日2組(ランチ1組、ディナー1組)の特別なフレンチレストランだ。
シェフは、鈴木 信作(すずき しんさく)氏。15歳から日本料理店で修業し、その後フランス料理に転身。当時、表参道にあった植木将仁氏の店『レストランJ』をはじめ、フレンチレストラン数店で腕を磨き、2011年、東京・三軒茶屋に『Restaurant愛と胃袋』を、妻・恵海(えみ)氏と共にオープン。その4年後の2017年、自身も自然に沿った生活がしたいと考え、野菜の仕入先のひとつでもあった八ヶ岳に『Terroir愛と胃袋』と店名を改め、移転開業した。
「愛は胃袋をとおってやってくる」というヨーロッパのことわざにちなんで付けられた店名『Terroir愛と胃袋』は、「大切な人と一緒においしいものを食べることで愛が育まれたらなんて素敵だろう!」という鈴木氏の想いから生まれた。北杜市には3カ所もの湧水が名水百選に認定され、あらゆるお酒の醸造所が揃い、野菜や魚、畜産など食にかけても非常に豊かな地域。元々の豊かな素材とそれを育てる技術者が揃う北杜市でのテロワールを大切にしている。仕入れは、野菜・川魚・放牧の畜産などほとんどが八ヶ岳から。鈴木氏自ら八ヶ岳に入って山菜やキノコを採ったり、鹿や鴨などを狩猟することもある。牛肉は主に、滋賀「サカエヤ」から手当てをして卸してもらう。
三軒茶屋時代からのスペシャリテは、季節野菜の「スープ」。中でも冬の「ブラウンマッシュルームのスープ」は一番人気。ワインは山梨・長野など近隣のものを中心に、フランスの自然派ワインも合わせて約100種。ワインペアリングはもちろん、ノンアルコールにも力を入れ、八ヶ岳のハーブティーで作ったオリジナルのコーディアルドリンクと楽しむノンアルコールペアリングも用意。クリスマスや季節限定の特別コースも楽しめる他、離乳中期から12歳までの年齢に合わせたお子様向けコースもあるため、家族全員で記念日をお祝いすることができる。
迎えるゲストを驚かす大屋根の屋敷の玄関を入ると、170年そのままの歴史ある空間が登場する。現代ではなかなか見ることができない巨木の梁を見ることができる。そこから案内される客席は、料理の素材選びと同じように、近隣の木や土などの自然原料を大切にした造作。薪ストーブやむき出しの梁、自然素材で塗られた土壁といった趣ある空間に心が安らぐだろう。開け放された座敷から客席へと気持ちよい風が通り抜ける。器にもこだわり、八ヶ岳の作家の手によるものを使用。結婚記念日やお誕生日、記念日など、大切な人との会食にぜひご活用いただきたい。
■アクセス
JR「小淵沢」駅より、車で20分