長野県の茅野(ちの)駅から車で20分。八ヶ岳麓の蓼科高原という絶好のロケーションにたたずむレストランが『カエンネ』だ。シェフの臼井 憲幸(うすい のりゆき)氏が、「修業先だったイタリアの森の風景と重なり、わくわくする」と話すこの地で、腕を振るう。
臼井氏は神奈川県横須賀市出身。 大学卒業後、イタリア料理に惹かれ都内レストラン数軒にて修業した後、渡伊。ピエモンテ州の星付きレストランやエミリアロマーニャ州の生ハム工房で研鑽を積んだ。帰国後は六本木、南青山のレストランで腕を磨き独立。2020年4月、食材が豊富な八ヶ岳エリアに、自身が思い描くイタリア料理店『カエンネ』をオープンした。
『カエンネ』の料理は薪火焼き。薪の炎で食材を包み込むようにじっくり焼くと、水分を失うことなく香ばしく焼き上がる。都心部と異なり広大で自然と共存可能な場所にあるからこそ、火の量は最大限におこすことができるという。スペシャリティは「生ハム」で、本場イタリアの生ハム工房での経験をいかし、隣町にある美ヶ原高原の麓に生ハム工房を設立。自然熟成される生ハムを楽しむことができる。さらに野菜やハーブは自家菜園。「摘みたてを伝えたい」と、お客様の来店30分前に摘まれる、土で育ったハーブの香りは格別だ。里山で採れた 野草やキノコなどと、たっぷり味わいたい。
パスタマシンを使わず、マタレッロという長い麺棒を使ってのばす「パスタ」も、もっちりとした食感が好評だ。鮎の匠による鮎やジビエ、卵などの食材はもちろん、八ヶ岳近郊の地元産がそろう。暖炉が迎えてくれる店内には、カウンターとテーブル席で全10席が用意される。信州の八ヶ岳麓というこの上ないロケーションにたたずむレストランを家族や友人との会食やデートなどで利用され、臼井氏が思い描き提供するイタリア料理を満喫していただきたい。わざわざ足を運ぶ価値のある里山レストランだ。
■『カエンネ』へのアクセス
JR中央本線(東京〜塩尻) 茅野駅 車で25分(駐車場有)