ハイレベルなレストランが軒を連ねる西麻布で、ひときわ異彩を放つ『M2(エムツー)』。元アマンリゾートコーポレートエグゼクティブシェフの的場 圭司(まとば けいじ)氏が、三重県松阪市に縁をもつ極上和牛「松吉(まつきち)牛」を食べ尽くすコース料理を提供する。店名は、“的場”と“松吉”の頭文字Mを重ねたものだ。
的場氏は、日本のリッツカールトンやホテルオークラの日本料理店で修業し、世界各国の高級日本料理店でも研鑽を積む。2016年よりアマンリゾートのコーポーレートエグゼクティブシェフに日本人で初めて就任。アマングループ統括シェフとして、3つのホテル、7つのレストランの開発や監修に携わる。2020年の一時帰国の際に「松吉牛」と出合いその上質な味に魅了され、同年9月にオープンした『M2』のシェフとして腕を振るうこととなった。
「松吉牛」は三重県松阪市にある松吉牧場が提供する。A5ランクと呼ばれる和牛は通常、さまざまな手を尽くして30ヶ月ほどで急激に太らせる。「松吉牛は、昔ながらの飼料でおよそ50ヶ月かけてじっくり育てる長期熟成。ストレスフリーで育った牛は健康的で同じA5ランクの中でも、脂身は多いが融点が低く、食べても胃にもたれにくい。上質で肉のうま味を感じられる」と的場氏は力説する。その脂の甘味や後味の違いを感じていただけるように、「松阪牛と松吉牛の食べ比べ」もコースメニューに組み込まれる。
“とにかく体にいいものを食べやすく”がポリシーのコースは、摂取しやすい順序で提供される。まずは、「松吉牛の握り」で肉のおいしさを楽しんでもらい、椀物で胃をあたためる。次に松吉牛をシンプルに鉄板で焼き、ゆずの茶碗蒸し等で口直し。そしてメインの松吉牛はマグロやトリュフ、フォアグラと共に提供し、カレーライスで〆る。こだわりの料理の数々には、ワインや日本酒がおすすめだ。
日本人作家の器や新進気鋭のアーティストの作品などが所狭しと置かれ、黒をベースとしたシックな雰囲気の店内は、外国人のゲストから「クール」の声がもれるほど。カウンター(8席)からは、鉄板で肉を焼く、鮨を握るというシェフの手さばきを目の前で見ることができ、期待感が高まる。海外で日本料理の良さを広めた的場氏が、今度は「松吉牛」の素晴らしさを世界に発信するため、理想的なメニュー構成で勝負する『M2』。友人や同僚、カップルと食の楽しみを共有できる仲間と利用され、極上の「松吉牛」を堪能していただきたい。
■アクセス
東京メトロ日比谷線 広尾駅 4番出口 徒歩6分