長崎駅から路面電車の思案橋電停で下車し、徒歩約10分のところにある、『1er cru(プルミエクリュ)』。シェフの深田 伸治(ふかだ しんじ)氏が、地元長崎の食材を活かした料理を提供する一つ星レストランだ。
兵庫県神戸市出身の深田氏は、異業種から料理人に転向。さまざまなレストランの食べ歩きを重ね、ほぼ独学で自身の料理スタイルを確立し、2002年に縁あった長崎の地に『1er cru』を開店。オリジナリティあふれる料理が人気を呼び、一つ星を獲得する人気店となった。
こだわるのは地元の食材。魚貝は、島原市にある信頼できる業者より直送される。牛肉は壱岐島で育った壱岐牛。野菜は、自ら訪れた日本の在来種・固定種を大切されている雲仙や国見などにある農家より直接、仕入れている。また、最大限においしさをだしていくことのできる、相性のよい、その地からとれる塩、五島の食材ならば五島の塩、壱岐の食材ならば壱岐の塩を使い、そこでしかいただくことのできない料理を作り上げていく。島原の魚の骨+根昆布+「五島地鶏しまさざなみ」の骨でだしをとるなど日本料理の要素も取り込みながら、あくまでも食材の風味を大切に、味を重ね過ぎない深田流の料理スタイルで提供される。
人気メニューは低温で瞬間加熱し、長崎の海を感じる磯香りを活かしたアワビの料理。「新鮮な魚などを使うシンプルな料理と発酵などの奥深さ。その両方を楽しんでほしい」と深田氏は話す。
ワインは、フランスのブルゴーニュに特化し、あらゆる料理にも相性が良い20年以上熟成した飲み頃のドイツワインもグラスで愉しめる。
長崎の無垢材をふんだんに使った店内は、長崎の土のぬくもりを感じる陶器もそろい、料理のみならずレストラン全体で長崎を満喫できる。
家族や友人、仕事仲間やカップルなどで利用され、テーブル席からオープンキッチンで腕を振るう深田氏の姿を眺めながら、長崎愛に溢れた料理を堪能していただきたい。
■アクセス
JR長崎本線(鳥栖〜長崎) 長崎駅 長崎電気軌道思案橋電停下車 徒歩7分