阿波踊りで知られる四国の徳島。徳島市内から車で30分ほどの佐那河内(さなごうち)村に店を構えるのが、『虎屋 壺中庵(とらや こちゅうあん)』。日本料理界の重鎮、岩本 光治(いわもと こうじ)氏が、女将と若女将の親子3人で切り盛りする日本料理店だ。
徳島県 佐那河内村にある『虎屋旅館』の三代目として生を受けた岩本氏。『京都吉兆 嵐山本店』の焼き場担当として研鑽を積み、創業者である湯木貞一氏の薫陶を受けたことでも知られる。帰郷後の1985年、『虎屋旅館』を改装し、しっかりと料理と向き合い提供できる店『虎屋 壺中庵』をオープン。そのシンプルな中にも滋味深さを感じる料理は口コミで広がり、岩本氏の味を求めて国内外から食通たちが足を運ぶ人気店となった。
「『虎屋 壺中庵』の料理とお客様の感性が響き合ってほしい」と話す岩本氏。料理は至ってシンプルで、「“何気ないものに良いものが秘められている”。そういう料理を作りたい」とも。
お米も野菜も地元のものを使用。良質な水もだしの味を引き立てる。また、近くを流れる川で自ら釣った川魚を料理に仕立てる。釣り人だからこそ、その魚の一番おいしい食べ方がわかるという。看板メニューといえる「鮎」は、高知の安田川まで3時間かけて釣りに行くほどのこだわりよう。吟味した食材を、栄養バランスよく提供することに注力する。
日本酒は、地元の棚田で作っている無農薬米と厳選された水で作られた「おでんでん」他、香川「悦凱陣 (よろこびがいじん)」や徳島「旭若松」など、うま味を感じるものを揃える。
店には個室のみで、1階に2部屋、2階に1部屋が用意される。
海の幸山の幸に恵まれた徳島にある『虎屋 壺中庵』を、“食の喜び”を共有できる仲間と利用され、豊かな自然を感じながら滋味を実感していただきたい。
■アクセス
JR高徳線、徳島線、牟岐線、鳴門線 徳島駅より車で30分