東京のオフィス街、浜松町駅・大門駅から徒歩6分のところに、鮨・料理・日本酒の3つを愉しめる『鮨 浩也(すし ひろや)』がある。大将は本橋 拓也(もとはし たくや)氏。鮨職人になりたかったという父の名前から「浩」の字をとり、店名に掲げた。大将は日本橋の江戸前鮨店をはじめ、海外の鮨店、蕎麦や日本料理などの和食を中心とした経験を積んだ後、2020年7月に『鮨 浩也』をオープンした。ただ魚介類を切って提供するのではなく、和食店で磨いた技法を用いてひと手間を加える。夜のおまかせコースでは、握り15貫の間に、素材を活かした料理5品を組み込む。魚介類は、毎朝市場に足を運び信頼のおける仲卸から買い付けるほか、宮城県・石巻の神経締め師から産直にて仕入れる。酢飯の米は、世界最高米にも選ばれた長野県飯山のコシヒカリ「七〇八米(ナオヤマイ)」と、山形の「雪若丸」をブレンド。酢は、「黒酢」と「赤酢と米酢のブレンド」を用いた2種の酢飯を鮨ダネに合わせて使い分ける。コースの最初を飾るのは、光り物が好きな大将の名刺代わりでもある「鯖の棒鮨」(夜コースのみ)。海苔に包まれた肉厚のサバは、炭で炙られ香ばしい脂のうま味がたっぷり。「マグロの赤身漬け」では、赤身の中でも極上部位とされる柔らかい天身を使用。トロとウニのうま味が絡み合う「うにトロタク」は、締めにふさわしい極上の一品だ。
日本酒は、利き酒師の資格を持つ大将セレクトで80種以上を用意。料理に合わせて提供される日本酒ペアリングでは、斬新な飲み方にも出合えるだろう。
漆黒の外壁は、日が沈むと深海のような藍色に輝き始める。内装には木材と石材を使用し洗練されたモダン和風の空間に、カウンター8席を用意。プロと一緒にセレクトしたうつわは、有田焼が中心。穏やかな曲調の店内BGMが流れるリラックスした食空間は、友人や同僚との食事、デートなどにおすすめだ。
大将の手しごとが活きる鮨と小料理と日本酒のマリアージュは、記憶に残る食体験となるだろう。
■アクセス
大門駅、浜松町駅北口より徒歩6分