築地市場に程近い銀座8丁目に店を構えるのが『鮨 崚(りょう)』 。親方の佐々木崚(ささき りょう)氏が、独立するならここでと、心に決めていた鮨店の聖地・銀座で腕を振るう。
佐々木氏は、銀座『鮨たかはし』で6年間研鑽を積んだ後独立。2020年7月に自身の店『鮨崚』を開店。当時、“弱冠24歳の鮨職人が銀座に開いた鮨店”としても話題をさらった。
コースは、つまみ4皿に握り10〜12貫で構成。毎月一番の食材をメインと決めるのが『鮨 崚』流で、例えば8月は「カツオ」メインにつまみや握りを展開する。魚介の仕入れは豊洲市場から。マグロは、全国の名だたる料理店が先を争い取引するマグロ専門仲卸『やま幸』より届く。握りは江戸前。酢飯は、山形県産の米に赤・白・黒の4種類の酢をブレンド。大きめに切り付けた鮨ダネによって酢飯の温度を調整する。
つまみにもこだわり、「赤ムツのご飯」は赤ムツの握りに季節のとろみ餡をかけるスペシャリテ。8月ならば、焼いた赤ムツを枝豆を混ぜた酢飯に乗せて、焼きナスの餡(くず)をかけるという夏らしい一皿になる。また鮨店のつまみでは珍しい、魚のフライや唐揚げといった揚げ物が必ず一品加わるのも特徴だ。
そして、月末金曜日のみ、通常よりグレードの高いネタを使った「プレミアムコース」を提供。いつもより少し贅沢を楽しむこともできる。
日本酒は、福井・黒龍「石田屋」「二左衛門」「無二」をはじめとした銘酒20〜30種をそろえる。ほか白・シャンパーニュのワイン、焼酎の芋(「山ねこ」「魔王」)・米(「鳥飼」)・麦(「八重桜」)、ウイスキー(「山崎」「白州」「マッカラン」)から、ノンアルコールまで幅広く用意する。
埼玉県秩父・三峯神社の御神木であるヒノキ一枚板を使ったL字型カウンター(8席)が目を引く店内。器は主に有田焼でそろえ、骨董や唐津焼なども使う。中でも付け台は、佐々木氏自身のデザインによる有田焼という、オリジナリティ溢れたものだ。
新風を引き込みながらも次世代の江戸前鮨職人としての矜持あふれる『鮨崚』。家族や友人、仕事仲間やカップルなどで訪れ、江戸前の真髄を堪能していただきたい。
■アクセス
大江戸線築地市場駅 A3出口より徒歩4分
R新橋、東京メトロ銀座線新橋駅より徒歩10分、
東京メトロ日比谷線東銀座駅徒歩7分