世界遺産二条城から北へ徒歩約15分、或いは京都御所の蛤御門から西へ徒歩約15分。西陣織発祥の地でもある京都西陣に店を構える、京都で知らぬ人はいない料亭『有職料理萬亀楼』。江戸時代初期の享保7年(1722年)に創業し、それから300余年、創業当時からの場所で今も伝統と歴史を継承し続ける。
現在の当主である10代目主人・小西将清(こにし まさきよ)氏と11代目を受け継ぐ若主人・小西雄大(こにし たけひろ)氏の親子が料理を担う。
『有職料理萬亀楼』ではお昼のランチコースとして「竹籠弁当」を、その他に「懐石料理」と「有職料理」を提供している。特に屋号としても掲げている有職料理(ゆうそくりょうり)とは、御所(=宮中)で生まれた料理であり、御所ゆかりの雅やかな技法や礼儀作法を継承しつつ、今日の素材を用いて料理を表現している物である。これらの料理は楽焼や仁清などの京焼を中心に、代々伝わる逸品の器で提供され、季節の花や掛け軸で調えられた、ゆったりとした個室で楽しむことが出来る。食事をする際は料理は勿論のこと、器や部屋の設えなどにも注目したい。
また、料理のお供として女将自ら厳選し揃えられた日本酒やワイン、シャンパンも、是非お愉しみいただきたい。
『有職料理萬亀楼』が京都の数ある料亭の中でも著名な理由として、食の儀式『生間流式庖丁』を正式に継承する唯一の料亭であることがあげられる。この"式庖丁”とは、平安時代より2000余年続く歴史ある食の儀式であり、大きな俎板の上で魚や鳥を直接手を触れることなく庖丁刀と真名箸で切り分け、瑞祥表現する一子相伝の儀式である。この儀式は事前に予約をすれば、別料金で食事の前に見ることが出来る。
店内は全てお座敷の個室で、大部屋2室と小部屋が5室。希望すればお座敷で椅子席のご用意も可能。
観光で京都を訪問した際に、また一途に懐石料理を楽しみたい際に、是非一度は訪れたいお店である。
京都ならではの四季を楽しみながら、300年の歴史を体験してみてはいかがだろうか。
※世界的グルメガイド京都・大阪 2024年度版にて二つ星を獲得
■アクセス
京都市バス「堀川下長者町」下車徒歩3分