空席について
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JR秋田駅からタクシーで1メーター、徒歩でも15分ほどの秋田市街近くにある『f(エッフェ)』は知る人ぞ知る店だ。まず看板がない。番地を頼りに訪れたゲストは、ビルの3階、白い壁に煉瓦色の天井、広々とした空間に迎えられる。店の中央には堂々とした木目のカウンター。どの席からも、料理するシェフの一挙手一投足が見渡せる。ここが『f(エッフェ)』のステージだ。
シェフ宇佐美 浩太郎(うさみ こうたろう)氏の経歴は独特だ。機械工学科を卒業、24歳まで羽田空港で航空整備士として勤めたのち、元々好きだった料理の道へ転身。都内で偶然入った小さなイタリア料理店の料理に心を揺さぶられ、シェフを志した。そこから特定の師を持たずほぼ独学で、イタリア料理を基礎とした“宇佐美料理”とでも呼ぶべき独特の世界を生み出した。
料理は基本的に秋田周辺の食材を用いイタリアのクラシックな料理を思い浮かべながら、日本で作るならどうするか自分なりの解釈で料理する。食材には秋田錦牛や黒毛和牛、デュロック種の希少な大館さくら豚、比内地鶏。リゾットにはあきたこまちを使い、イタリア米は使わないというこだわりだ。「型がないのが自分の個性」と語り、毎年異なるアプローチで新しい料理を生み出し続ける。だからスペシャリテもない。事前に作り込まず、ライブ感を大事にする。その独特な姿勢を支持しているファンも多い。
ワインはイタリアワインのみ。ペアリングの設定はなく、料理に合わせた飲み干し方の提案をして合わせてもらうというユニークなスタイルだ。ノンアルコールドリンクの用意がないのは、料理に合わせるのはあくまでもワインであり、その組み合わせを楽しんでほしいというシェフの思いのあらわれだ。
現在の『f(エッフェ)』は、秋田市内での3度の移転を経て4店舗目となる。毎回シェフ自身が内装を手掛ける。店の中央のカウンターは最大9席、通常は6~7席程度におさえ、一人当たりの専有面積が広くとられている。ゲストは多くが『f(エッフェ)』の料理を楽しむことを最大の目的として訪れる。まずは席に座った数時間、目の前の料理と向き合いシェフの料理観を楽しみつくすのが、ここでの大きな楽しみとなるだろう。どこにも似ていないユニークな個性は揺るぎない。その世界観を、ぜひ秋田の地で味わってほしい。
■住所はご予約が確定次第お知らせいたします。