北海道札幌市のJR稲穂駅 目の前に店を構えるのが『PARCOFIERA(パルコフィエラ)』。シェフの中條 大輔 (なかじょう だいすけ)氏が、地元北海道の食材と自家製にこだわり、ストーリー性あふれる料理でお客様をもてなす。
中條氏が軸に置くのは、北イタリア・ピエモンテ州の修業先で学んだサスティナブル料理。毎朝市場に足を運んで仕入れる魚介から農家・農園から届く肉や野菜、また山へ入って採る山菜まで、食材は一つも無駄にせず、すべて使い切る。そしてシグネチャーメニューとなるのは「自家製生ハム」。
コースは「自家製生ハム」を最高の状態でいただくための二部構成。前半は前菜3品+パスタ・肉の全8品。そして後半に自家製ハムやサラミ12種が提供される。「前半は発酵、塩漬け、乾燥など多角的な皿を用意し、メインへのアプローチとして脳に多くの情報を送信。胃と腸を整えれば、生ハムの持つ成分、ナトリウムやタンパク質をしっかり際立たせる」と徹底している。
塩とオリーブオイル以外、バターや酢など全て自家製。また計算し尽くされた皿の数々は出来立てにこだわる。例えば、北海道のおこっぺ有機牛乳から作るモッツァレッラはお客様の目の前で練り上げ、18ヶ月寝かせた生ハムのスライスを巻いて提供。炊き立ての米(ゆめぴりか)に生ハムを巻いて鮨のようにふるまう等、出来立てメニューが次々と生まれる生ハムの可能性は無限大だ。
イタリア製スライサー「ベルケル」でスライスされた生ハムは「手で摘んで、大口で食べていただきたい。その方が空気がよく入り、鼻から抜ける香りをよりよく感じられるから」と中條氏。外気温によってスープの温度を変えたり、お客様の顔色で体温を察知して料理をアレンジしたりと、中條氏の料理は科学的に組み立てられている。
カウンター6席。「とにかく一人でできることを最大限やりきりたい」と一人でこなす中條氏。渾身の生ハムを最高の状態でいただく。そんな極上の時間を堪能するために、家族や友人、カップルでも、この地を訪れる価値があるのではないだろうか。
■アクセス
JR稲穂駅より徒歩1分