外苑前駅から徒歩3分、南青山に店を構えるのが『天ぷら元吉 的場』。『天ぷら元吉』の元吉 和仁(もとよし かずひと)氏の元で研鑽を積み、二番手として活躍した的場 大樹(まとば ひろき)氏が2022年2月より同場所を引き継ぎ、自身の名を冠した『天ぷら元吉 的場』として切り盛りする。
天ぷら店の店主である自身を“天主”と名乗る的場氏。親方の元吉氏が掲げる“食材にある「走り・旬・名残」を天ぷらを通して味わっていただく”というコンセプトが引き継がれている。油は昔ながらの製法を用いる玉絞りの胡麻油3割に菜種油とコーン油をブレンド。衣は、マイナス196℃の液体窒素を入れて粒子を細かくサラサラにした小麦粉を、違った水で溶いた2種で天ダネによって使い分ける技法も元吉氏の教えを受け継ぐ。
コースの構成も『天ぷら元吉』の流れを汲むが、元吉氏が商標登録する「天ぷら元吉の大葉うにのせ」や「さつまいもの天ぷら」といった定番メニューは取り入れつつ、合間に口直しを挟んだり、より日本酒に合った料理を提供したりするのが的場流。生産者の元を訪ねて探し当てた新たな食材で新境地を開く。
千葉県・東庄(とうのしょう)の農家から直接仕入れる「カブ」や、千葉県・銚子「Hennery Market」の坂尾 英彦氏が育てる「アフロキャベツ」を使った天ぷらがスペシャリテ。なかでも「キャベツの天ぷら」は、ミルフィーユ状に重ねて揚げ、下にキャベツのソースを敷き上に千切りのキャベツをのせ、火入れ・揚げ物・生と3種のキャベツの味が楽しめるという他にない逸品だ。
日本酒は、的場氏が愛飲する宮城「阿部勘」、新潟・佐渡「金鶴」をはじめ、天ぷらと相性の良いものを常時20種ほど用意。国産のワインはグラスで提供する。
春なら桜といった大きな木のディスプレイはなく、歳時を意識したインテリアで季節を表現する店内。カウンター(7席)には、特許取得したお馴染みの猫舌対策冷却機「北風」も健在。料理は、東京・町田「土笑窯」の浅井 竜介氏作陶の天皿で供される。家族や友人、同僚やカップルでも、“天主“的場氏のオリジナリティあふれる天ぷらを堪能していただきたい。
アクセス
■ 東京メトロ銀座線 外苑前駅1A出口より徒歩3分