東京メトロ日比谷線六本木駅から徒歩8分、有名店がひしめく東京・西麻布。西麻布交差点からほど近く、静かな通りの建物の1階に、端正な木製のドアが見える。『merachi(メラキ)』は、石と木の組み合わせのシックで印象的な外観だ。
シェフ杉本 功輔(すぎもと こうすけ)氏は、ミラノ『リストランテ トクヨシ』をはじめ、コペンハーゲン『ミエルケ&ホッティカール』やバンコク『ガガン』、帰国後は銀座の一つ星『ファロ』などモダンな料理を得意とする店を中心に各国で8年間修業、2021年現在の地に『merachi』をオープンした。
料理はイタリア郷土料理をベースに、杉本氏のアイデアを加えた独自の料理。海外のさまざまな料理技術を用いて、日本でしか食べられないイタリア料理のスタイルを作り上げている。食材は主に日本国内のものを用いる。たとえば、木更津・クルックフィールズのモッツァレラチーズ。牛肉は栃木・長谷川農場の足利マール牛、卵は埼玉・東松山市の「昔翁ありき」。臭みのない「昔翁ありき」はオムレツに使用している。また、人気メニュー「ブラウンマッシュルームのパスタ」は、鶏の出汁でマッシュルームの出汁をとり、そこに擦りおろしたマッシュルームを加える。シンプルな見た目で手間暇のかかったメニューだ。2種提供するパスタのうち、1種は必ずゲストの目の前で手打ちして成形した生パスタを用いる。
ワインにも料理と変わらない情熱を注ぐ。店内にはイタリア・フランスをはじめ約500本のボトルを所蔵、ゲスト自身がワインセラーに入ってワインを選ぶことができる。つてを頼り、日本国内では入手困難なフランスヴィンテージワインも揃える。マグナムボトルも用意。ワインペアリングを設定しており、1皿1杯ではなく、ゲストのペースに合わせて提供している。
落ち着いた色のタイル張りの壁と木のカウンター。木材の温かみを効果的に生かした店内にまっすぐな欅一枚板のカウンター8席、どの席からもシェフが立ち働く姿を見ることができる。ゲストの年齢層は幅広く30~50代、女性同士の集まりや美食を愛する一人客の来訪も多い。
店名の「メラキ」とはギリシャ語とイタリア語を合わせた、「魂、創造、愛、情熱を込めて何かをする」という意味の造語。その道のプロが魂を込めて作り上げたものがゲストを魅了する。日常の狭間に隠された美しい瞬間を楽しんでほしいというメッセージが込められている。
「おいしい」のその先、料理をきっかけにした楽しい時間、友人を迎えるように、ゲストから「楽しかった」という言葉が自然と出るような店を目指す。そんな『merachi』で、親しい人との時間を楽しんでみてはいかがだろうか。
■アクセス
東京メトロ 日比谷線 六本木駅より徒歩8分
東京メトロ 千代田線 乃木坂駅より徒歩15分
乃木坂駅から606m