九州の玄関口、博多駅からタクシーで10分、静かな住宅街の一角に店名『郷土料理 嗣味(つぐみ)』と記した小さなサインが灯る。グレーの壁のモダンなエントランスだ。
九州はどの季節も素晴らしい食材の宝庫であり、地元の生産者の方々と出会うことで、日本料理の枠を超え、料理をしていこうという思いで、命名した。
料理は福岡近郊、九州の食材を使用し、季節によって料理の構成や調理法は多岐にわたる。1月から3月は、天然とらふぐの産地としての下関集積地から取り寄せる大型のとらふぐ。から揚げ、てっさ、しゃぶしゃぶと最良の調理法で提供。唐揚げは、そのまま召し上がっていただき、てっさとしゃぶしゃぶをポン酢でいただく。
4月から6月は、ジビエと山菜。罠獲りでリラックスした状態で解体のプロが絞めた、猪や鹿を用いる。食材ごとに駆使した火入れをし、鹿の天ぷら、天然鴨そして刺身。近場で獲れた山菜とともに提供し、天然鴨を入れた手打ちそばや山菜ごはんを愉しめる。
7月から9月は、天然鰻、すっぽん。玄界灘の海鰻、有明海の天然鰻を使ったコースやすっぽんの鍋に赤ウニ、あわびも堪能できる。
10月から12月はクエづくし。玄界灘から長崎で釣れた大型のクエを、活かしたまま港で仕入れ、水槽で休ませて体力回復したものを締める。刺身、焼き、揚げ、しゃぶしゃぶなどをその時期に合う調理法で提供する。
ドリンクは、シャンパーニュがグラス、ワインはボトルで提供。九州のワインも扱っており、熊本の「菊鹿ワイナリー」や大分の安心院町「安心院葡萄酒工房」のワインをそろえる。また日本酒も九州中心に季節によって6〜7種。焼酎は宮崎や熊本、鹿児島から。ノンアルコールドリンクでは八女茶のボトリングティーや宮崎の釜炒り茶などを用意している。食器も有田や伊万里、唐津などの名陶の器でいただけるのが魅力だ。
モダンな内装の店内はカウンター8席。これらの食材を、目の前で仕上げる過程を目からも楽しめるのが魅力。『郷土料理 嗣味』九州の食材をあますことなく楽しめるひとときを過ごしていただきたい。
※気候などの影響で、時期や食材が変更になる可能性がございます。
■アクセス
博多駅よりタクシーで10分
西鉄薬院駅より徒歩約10分