流行の先端を行くような、ファッションやカフェの小規模な店舗が軒を連ねる代官山。東急電鉄東横線代官山駅から徒歩5分、渋谷駅や恵比寿からでも徒歩10分の通りから一本入った場所に『レクレルール』はある。
シェフ田熊 一衛(たぐま いちえい)氏は1981年生、都内のレストランを経てフランス『ダヴィッド・トッタン』や『ル・サンク』など国際的にも注目される店で10年間修業、2021年に『レクレルール』を開業した。2022年には世界的グルメガイドブックで「明日のグランシェフ賞」を受賞している。
料理はモダンな仕立ての中に伝統的なフランス料理のクラシカルな雰囲気を残す。田熊氏は福岡出身で、鹿児島「黒さつま鶏」など九州の食材を多く使用する。料理の最大の特徴は薪焼き料理。山形牛などの熟成牛の薪焼きを厨房の中央に設置、ゲストはその火入れの様子を見ながら食事ができる。料理の都会的なイメージを印象的に演出しているのは佐賀・有田「李荘窯」でオーダーされた器だ。幾何学的な形状の、また木の枝のような繊細な彫り跡が印象的なさまざまな白一色の皿に、鮮やかな色のソースが載る様は、ゲストを非日常の空間にいざなう。
ワインはボトルで170〜180種、グラスも合わせると200種とそのほぼすべてがフランスワインである。グラン・クリュから新進気鋭の生産者までを網羅、田熊氏とソムリエの高野 真司(たかの しんじ)氏の、フランスへの敬愛の念を感じさせる。アルコール・ノンアルコールともにペアリングを設定。ノンアルコール飲料は鹿児島の有機栽培茶やコンブチャをベースにしたドリンクなどを用意している。
白と淡い水色を基調としたモダンな内装の店内には昼であれば明るい光が降り注ぎ、夜は内装を柔らかく反射する照明が灯る。奥のオープンキッチンからただよう薪を焼く香りも料理をいろどるスパイスの一つだ。
ゲストは田熊氏の料理そのものを主目的に訪れる人が多く、またデートや記念日はもちろん、親しい方との食事にも、華やかな雰囲気がいろどりを添えるだろう。うるわしい空間での料理と時間を楽しみに、レクレルールでのひとときを体験してみてはいかがだろうか。
■アクセス
渋谷駅よりタクシーで5分
恵比寿駅よりタクシーで5分
代官山駅より徒歩7分