築地駅より徒歩5分ほどのビル2Fに店を構えるのが日本料理店『櫻木』。大将の櫻木 出(さくらぎ いずる)氏が、食通が集うこの地で腕を振う。
櫻木氏は、銀座の日本料理店で3年勤めた後、新宿パークハイアット東京の日本料理店『梢(こずえ)』へ。18年勤務し、副料理長を任される。その後、開業準備のため知り合いの料理店で腕を磨き、2022年8月、自身の名前を冠した店『櫻木』をオープンした。
先付けからお造り、焼き物・煮物・和え物、小鍋、食事、デザートまで10品前後の『櫻木』料理コースは、“出来立て”を追求し、食材そのもののうま味を大切にする。例えばお椀は、ゲストの来店後に枕崎カツオ節と利尻昆布で出汁を引く。ご飯は炊き込みをせず、新潟米「新之助」を、信楽「雲井窯」の中川 一辺陶氏による土鍋で炊き上げ、煮えばなから白飯で提供。香の物や焼き魚、ちりめんじゃこ、カツオ節などのお供も愉しみの一つだ。魚介は、毎日豊洲市場に足を運び目利き。ワラを使う「カツオの炙り」は通年の人気メニューとして知られる。
日本酒にもこだわり福井「黒龍」、奈良「みむろ杉」、愛知「醸し人九平次」、静岡「磯自慢」、山口「天美」、三重「作」、秋田「新政」、新潟「加茂錦」、鹿児島「天賦」と、『櫻木』の料理と相性の良い全国の銘酒を常時置き、おまかせで90mlから提供する。ワインは泡から赤、白を揃え、ノンアルコールは、京都「一保堂茶舗」のほうじ茶と煎茶を揃える。
入り口には神代杉の看板が飾られており、店内は、銀座の名だたる鮨店などを手掛ける板井工務店によるヒノキのカウンター(8席)が目を引く。一品一品を彩る器は現代作家ものから骨董まで多様なものを揃えている。家族や友人、仕事仲間やカップルなど、日本料理ならではのうま味と清楚な空間で『櫻木』の料理を愉しまれてはいかがだろうか。
■アクセス
東京メトロ日比谷線築地駅より徒歩5分