溜池山王駅より徒歩3分。六本木通りの裏路地にあるビルの3階に、ひっそりと店を構えるのが『赤坂 鮨しの』。親方の篠原 光一(しのはら こういち)氏が、心地よい空間の中で、腕を振う。篠原氏は、23歳で異業種から転職。都内の鮨の名店で修業を始めると、早々に頭角を現し、2022年10月に『赤坂 鮨しの』をオープンした。
「おいしいのは当たり前。とにかく楽しく食事をしていただきたい」と篠原氏、提供するおまかせコースは、つまみ8品、握り12貫と椀の全21品。食材は、毎朝、豊洲市場に足を運び目利き。マグロは長年付き合いのある仲買より仕入れる。酢飯の米は、北海道「ななつぼし」の古米を使用。 水分も粘り気も少ない古米で、篠原氏が理想とする口の中のほどけ具合を作り上げる。酢は、ヨコ井の醸造酢の赤酢3種をブレンド。ワサビ栽培発祥の地と言われる産地、静岡県の有東木(うとうぎ)から直送するワサビは、シャープな辛味と、ふくよかな甘みが特徴。
夏季には、江戸前鮨の代表的な鮨ダネ、コハダをサイズ感、脂のノリ方を吟味し、あっさり目に〆る。冬期は、身をほぐしカニ味噌と和え、カニ酢のジュレをかけて甲羅に詰めて提供する毛ガニ(11月は香箱ガニ)が、看板メニューと言って良いだろう。また、江戸前鮨の神髄とも言われる甘さ控えめのツメは、ハマグリでダシを取るのが篠原流だ。
日本酒は、福井「黒龍」、福島「飛露喜」、三重「作」、宮城「日高見」他の銘酒9種と、季節のもの5種を常備。ワインセラーには、「ドゥーツ」「ボランジェ」等、一部スパークリングも含めて5種のシャンパーニュと赤・白ワインを取り揃えており、カリフォルニア「KENZO ESTATE」は、「あさつゆ」「紫鈴」「藍」「紫」をラインナップ。
数寄屋造り風の店内は、ヒノキのカウンター(8席)と聚楽壁(じゅらくへき)が温かさを醸し出す。岐阜「志野焼」の鮨つけ台は、独特の色合いと店名の“しの”と同じという縁もあり、オーダー。「おいしかったし、楽しかった」とお客様がリラックスできる『赤坂 鮨 しの』で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
■アクセス
銀座線溜池山王駅11番出口より徒歩5分