新潟駅より車で約10分。新潟市内中心部にありながら、雑踏を少し外れたビル1Fに静かに店を構えるのが『日本料理あららぎ』。二代目の佐藤 大介(さとう だいすけ)氏が腕を振るう。
佐藤氏は18歳で料理の道に入り、京都『祇園 川上』『菊乃井 露庵』などを経て、28歳で新潟に戻り、『日本料理 あららぎ』へ。2006年より二代目として切り盛りする。父親の味を受け継ぎながら、自分流の新たな息吹をもたらした料理は一つ星を獲得し、2023年に始まった「新潟ガストロノミーアワード」唯一の審査員長賞、同年1月、日本の大手航空会社の国内線ファーストクラスの機内食を担当するなど、注目されている。
「使っていない食材は無いのでは?」と話すほど、多種多様な旬の食材を駆使し、唯一無二の料理を作り出すのが佐藤氏。お客様一人一人に品書きが揮毫(きごう)され、お客様の好みや体調に合わせてカスタマイズされる器の数々。中でも、揺るぎない人気メニューは、南蛮えび(甘えび)の「えび真丈」と「もずくの茶碗蒸し」。トロっとした口当たりが絶妙な「もずくの茶碗蒸し」は、常連のお客様が口を揃えて「最後の晩餐で食べたい」と切望されるほど、食べ手の心に残る逸品だ。季節により食材は異なるものの、今日この時にふさわしい出会いがあると考える佐藤氏は、その出会いを楽しんでいただきたいと考えている。
全国各地の食材を使用し、新潟に固執するわけではないが、日本酒は新潟「鄙願(ひがん)」を30年以上も前から置き、地元新潟の魅力も積極的に発信する。「日本料理は総合芸術」という思いから、京都「染司よしおか」による暖簾をかけ、作家・滝口 和男氏作の香合を置くなど、料理同様に器や設えにもこだわり、季節の移ろいを表現。店内はカウンター席(6名)、テーブル席(4席)2卓に10畳の座敷(6名)が用意されるので、家族や友人、カップル、食べ歩きの仲間とのプライベートから、海外からのゲストのおもてなしといったビジネスシーンまで、『日本料理あららぎ』ならではの味を堪能されてはいかがだろうか。
■アクセス
JR 信越本線「新潟」駅よりタクシーで8分