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中国で活躍する、一人の日本人シェフがいる。1981年生まれ、埼玉県出身の篠原裕幸氏である。彼は今回、キュレーター・本田直之氏のもと、一日限定ダイニングイベント【( )-untitled- vol.5】にて、その類まれなる才能を発揮し磨き上げた中国料理の腕を振るった。

TRUNK(HOTEL)

東京・渋谷『TRUNK(HOTEL)』

舞台は東京・渋谷にある『TRUNK(HOTEL)』のメインダイニング『TRUNK(KITCHEN)』。2019年5月26日(日)、春から夏へと季節がめぐり、食材はもちろん、人々の衣や心もあたたかさから涼やかさを求めはじめる、そんな時節である。

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「菜単」とは中国語で「メニュー・献立表」、「由 主厨」は「シェフ」の意。

この日の為だけに生み出された料理テーマは、「現代だからできる中国料理―乾物の新世界―」。『TRUNK(HOTEL)』が提案する、”Socializing(ソーシャライジング)”の考えのもと注力する”Culture(文化)”のテーマに寄り添った、一日限りのコースである。

Contents
1. 世界で活躍し、日本の中国料理界を変えていく料理人・篠原裕幸氏とは
2. 現代だからできる中国料理「乾物の新世界」と、中国茶薫るティーカクテルペアリング
3. 若手料理人が活躍する機会を広げる、ポケットコンシェルジュのイベントサポートについて

世界で活躍し、日本の中国料理界を変えていく料理人・篠原裕幸氏とは

篠原裕幸氏

中国料理人・篠原裕幸氏

中国料理一筋の料理人人生を歩んできた篠原裕幸氏の経歴は、堅実かつ華麗だ。大阪・辻調理師専門学校を卒業後、『赤坂璃宮』にて譚彦彬(たんひこあき)氏に師事。広尾『ロウホウトイ』、ザ・ペニンシュラ東京『ヘイフンテラス』などで腕を磨いた後、香港の名店で広東料理の経験を積む。帰国後、西麻布『海鮮名菜 香宮 (シャングウ)』のシェフに就任。そして2015年には、新時代の若き才能を発掘する、日本最大級の料理人コンペティション『RED U-35』にてグランプリ(RED EGG)を受賞した。その後上海に渡り、『ASIA’S / THE WORLD’S 50 BEST BARS』ノミネートバーのフードメニュー監修に携わるなど活躍の場を広げ、上海『THE PEACOCK ROOM』エグゼクティブシェフに就任。現在は、料理人になった時からの夢だという「日本の中国料理界を変え、世界で活躍できる料理人になりたい」という熱き想いのもと、上海・香港・東京をベースに独立準備中である。

篠原裕幸氏

中国料理人・篠原裕幸氏

現代だからできる中国料理「乾物の新世界」と、中国茶薫るティーカクテルペアリング

篠原裕幸氏は、これまで培ってきた広東料理の技法に加え、中国全土を旅して得たすべての経験と価値観をもって、国や歴史を飛び越えて、現代に生きる中国料理として全11皿のコースを展開。たとえば、春巻きに24ヶ月熟成のフランス産のコンテチーズを削りかけたり、黒い皮蛋(ピータン)を透明なグラニテに仕立てたり、

フカヒレの春巻と皮蛋のグラニテ

(左)フカヒレの春巻 -AOC COMTE 24ヶ月熟成と共に-
(右)皮蛋のグラニテ -燕の巣を添えて-

雲南キノコを和風炊き込みご飯にしたりと、中国料理という広い枠の中に、フランス食材や和のエッセンスをも取り入れ、中国料理の伝統的な調理法や組み合わせの可能性を広げていく。

ナマコと雲南キノコの炊き込みご飯

ナマコと雲南キノコの炊き込みご飯

また、中国四大料理(四川・広東・上海・北京)それぞれの特徴を融合させるアプローチも、篠原裕幸氏ならではの料理スタイルである。たとえば、世界で一番大きい鮫と言われている最高級のウバ鮫の皮を使用した料理では、『揚州料理』扣三絲(コウサンスー)のドーム型の仕立てと、蟹に紹興酒をかけて卵と蒸す『広東料理』花彫蒸蟹の味の構成とをかけ合わせた。「こういう発想、考え方も、日本人かつ現代だからできる料理だと思っています」と篠原氏。

ウバ鮫の皮と毛蟹の合わせ蒸し

ウバ鮫の皮と毛蟹の合わせ蒸し -紹興酒の薫り-
冬瓜とマコモ茸の中に毛蟹と鮫の皮を詰めて、鶉の卵の卵黄、紹興酒風味のコンソメをかけた一皿
「揚州料理」の仕立て×「広東料理」の調味

北海道産の乾物スルメイカで生のアオリイカを巻き、雲南トウチで炒めた料理では、乾物がもたらす味わいの可能性を大きく導き出すなど、中国料理の強みである乾物を現代の料理として昇華する。

スルメイカとアオリイカ、雲南風味

スルメイカとアオリイカ、雲南風味

そして鳩の二種焼きでは、『広東料理』の伝統的な技法・塩釜焼きに、「もし、四川料理しか知らない中国料理人がこの技法を見たら、きっと香料の複雑な香りがほしいと思うだろうな」というイメージから、塩釜の下に香辛料を敷いてスパイスの香りを加えた。

塩釜焼き

『広東料理』の伝統的な技法・塩釜焼き

鳩腿肉に発酵唐辛子と梅、スッポンのエンペラを詰めて唐揚げにし、胸肉は香菜・生姜・白酒で下味をつけてから塩釜で焼き上げ、二種の調理法で異なる部位のそれぞれの味わいを表現。
鳩の二種焼き

鳩の二種焼き 特大スッポンのエンペラ
「広東料理」の技法×「四川料理」の香り

【イベントに参加したユーザー様の声】
“久しぶりに篠原さんのお料理を楽しめました。これからのご活躍も楽しみにしております。”
“中国料理とは思えない料理の数々に驚きました。”

 

これらの篠原裕幸氏の料理コースに合わせたのは、ワインペアリングならぬ、中国茶を使ったティーカクテルペアリング。プロデュースしたのは、『TRUNK(LOUNGE)』のミクソロジスト・齋藤隆一氏。

齋藤隆一氏

ミクソロジスト・齋藤隆一氏

中国料理は香辛料やスパイスが豊富で、火力や鍋の温度調整によって素材の香りを意図的に引き出す料理である。そんな、香りの要素が多い中国料理の解釈とともに、ミクソロジスト・齋藤氏は、スピリッツやお茶の掛け合わせと温度帯の変化で、風味や香りを操り、余韻と色気のあるカクテルを生み出した。

君山銀針酒と雪菊カクテル

(左)君山銀針酒(日本産ウォッカ / 君山銀針 黄茶):フカヒレの春巻に合わせて
(右)雪菊カクテル(ジン / レモン / ソーダ / 雪菊 花茶):スルメとアオリイカ、雲南風味に合わせて

鳳凰単从酒と太平猴魁酒

(左)鳳凰単从酒(ポーランド産ウォッカ / 鳳凰単从 青茶):杏仁豆腐のフライに合わせて
(右)太平猴魁酒(オランダ産ウォッカ / 太平猴魁 緑茶):清蒸鮮魚に合わせて

【イベントに参加したユーザー様の声】
“ペアリングのドリンクが斬新でした。”
“温かいお茶のカクテルって初めてでした!”

若手料理人が活躍する機会を広げる、ポケットコンシェルジュのイベントサポートについて

料理風景

ポケットコンシェルジュではこれまで、今回の篠原裕幸氏をはじめとする若手料理人が活躍できる場として、シェフ同士のコラボレーションや日本酒ペアリングのイベント、海外で活躍する日本人シェフの凱旋イベントなどを企画サポートしてきた。野心と行動力を合わせもち、柔軟な発想で自身の料理を発信し続ける次世代の料理人は、今後のレストラン業界に影響を及ぼすパイオニアとなる。しかし、こうした若手シェフによるイベントの課題として、レストラン側の人員不足や費用面などが挙げられる。篠原裕幸氏のように、「日本の料理界を変え、世界で活躍できる料理人になりたい」と熱意ある料理人達に、活躍の場や挑戦するチャンスを提供すべく、ポケットコンシェルジュは今後より一層、彼らの可能性を広げるサポートを全力でおこなっていく。そして同時に、食べ手であるユーザーの皆様にも、こうした貴重なイベントに参加していただける機会をますます提供していきたい。

今回の【( )-untitled- vol.5】を経て、篠原裕幸氏は中国料理を通して今後世界に一体何を伝えていくのだろうか。中国、そして世界で活躍する日本人シェフの邁進に、我々は今後も目が離せない。

【取材・撮影・文】濵本亜沙子

【コラボレーションイベントにご興味のある料理人・レストラン関係者様へ】
イベント企画やシェフの誘致、集客PRなどを、ポケットコンシェルジュが最大限サポートいたします。開催規模や費用などについて、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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