北海道・札幌や小樽の日本料理店にて、約20年和食一筋で修業したオーナーシェフ・宮下政也(みやしたまさや)氏。和食の神髄を知り尽くした一流の鮨職人が、2010年に札幌・円山にオープンしたのが一つ星鮨店『田久鮓(たくずし)』である。2013年に南3条西の閑静なエリアに移転し、「その日最高の鮨」を提供し続けている。
宮下氏が最もこだわっているのが食材。そのこだわりと探究心は築地市場の鮮魚店からも絶大な信頼を受けるほどで、旬の食材の中でも極上の品がそろう理由のひとつになっている。こだわりと探究心は築地だけにとどまらず、わずかでもより最高の食材を仕入れるために、地元札幌を含め、日本全国から食材探しをおこなっている。こうして仕入れられた極上の魚介類が、宮下氏の手によってさらなる高みへと昇華されたのが、『田久鮓』の鮨である。土鍋で丹念に炊き上げられた白飯は米本来のうま味が凝縮され、まろやかながらしっかりと酸味とコクが残る熟成赤酢と混ざり合うことで、酢飯の上品さを残しながら魚介類本来の味を引き立てる。酢飯、鮨ダネ、わさび、醤油それぞれの鮨の黄金比と言えるバランスは、宮下氏にしか生み出せない『田久鮓』の芸術品だ。その芸術品を引き立てるお酒は、あっさりとした口当たりの日本酒や、ブルゴーニュやシャンパーニュなど、繊細な味わいのフランス産ワインも揃う。
店内はカウンター席と、8名・2名用の個室が一部屋ずつ。顧客ひとりひとりに最高の鮨を提供するのにベストな広さで、陶器や黒漆器などの器も含め、上質でモダンでありながら、日本らしい落ち着いた空間が広がっている。北海道の旅の思い出や、大切な人とのひと時に、宮下氏が生み出す『田久鮓』の極上の鮨を味わっていただきたい。
■アクセス
札幌市営地下鉄南北線「すすきの駅」より徒歩3分