鎌倉駅から徒歩8分。観光地の賑わいを離れると、シンプルでシックなレストランが現れる。スペイン料理とワインの店『Arashida(アラシダ)』だ。オーナーシェフの嵐田 憲和(あらしだ のりかず)氏が、2010年10月に地元・逗子の隣である鎌倉にオープンした。
嵐田氏は、滋賀「セルポワ」を始め、日本各地のレストランにて料理の基礎を学んだ。スペイン・バスク地方を訪れた際、老舗の二つ星レストラン『スベロア』にて「人生で一番おいしい」料理に出合ったことをきっかけに、『スベロア』のイラリオ氏の元でクラシックなスペイン料理を学ぶ。その後も『アスルメンディ』、『カサマルシアル』などスペイン各地の星付きレストランで研鑽を積んだ。
料理の味わいを大事にしていた、師匠イラリオ氏の哲学を受け継ぎ、嵐田氏は味を一番に追求する。盛り付けや演出、調理法などに余計なこだわりを入れないことこそが、嵐田氏の料理だ。「本当に必要なことだけを、大切にやっていく」と言う嵐田氏の料理は、スペインで磨かれた経験とセンスによって、食感や食材の相性などの理論に裏付けされている。しかしスペイン料理の枠にはこだわらず、日本の食材で日本人シェフが作る料理として、固定概念を超える味わいを生み出す。
スペシャリテは、スペイン・アストゥリアス地方の伝統料理「ピトゥ」。焦がした濃厚なタマネギソースの鶏肉煮込みは、現地でも手間暇かけて作る人が減ってきているという、嵐田氏自慢の一皿だ。伝統デザートの「アロス・コン・レチェ」は、3時間かけてじっくりと煮るお米のミルク煮だ。うま味とコクが引き立ち、もちっとした食感が特徴的。ワインは、ソムリエの資格をもつ嵐田氏が厳選するスペインワインを用意。
店内には、カウンターが6席とテーブルが12席。落ち着いたウッド調の内装は重厚感と温かみがあり、家族や友人との会食やデート、海外ゲストのおもてなしなど、多様なシチュエーションにオススメ。鎌倉旅行をゆっくり楽しんだ後は、嵐田氏独自の洗練されたスペイン料理をお楽しみいただきたい。
【お知らせ】
この場所での営業は、2020年7月末までとなり、2021年1月に近隣に移転の予定です。
■アクセス
江ノ島電鉄線 和田塚駅 徒歩1分
JR横須賀線 鎌倉駅西口 徒歩8分