名だたる飲食店が立ち並ぶ大阪随一の歓楽街、北新地にあるビル4Fに店を構える鮨店『分おおはた』。予約困難店として知られる一つ星の人気店『寿し おおはた』の分店として、お客様を迎える。親方の平松 永吉(ひらまつ えいきち)氏は、長年、日本酒等を扱う和酒専門店に勤務。『寿し おおはた』を担当していたことから、親方の大畑 雅達(おおはた まさみち)氏と懇意になり、縁あって料理の世界へ。『寿し おおはた』に入店し、日本料理のいろはから握りまでを大畑氏より手ほどきを受ける。その約6年後、あまりの人気で超予約困難店となった『寿し おおはた』の分店を同ビル内に開店する話が持ち上がり、大畑氏の隻腕として腕を振るっていた平松氏に白羽の矢が。2023年2月のオープンより、『分おおはた』の親方として、大畑氏秘伝の味を踏襲する。
魚の仕入れ、仕込みと鮨の酢飯も『寿し おおはた』と同じにし、同じ味わいを楽しむことができる。
赤身のマグロやカツオ、コハダなど江戸前を代表する魚は全て豊洲市場から空輸便で。白身のタイ、キスや、イカなどは明石の漁師から直接仕入れ、関西の鮨職人が握る江戸前鮨を作り上げる。
コシヒカリの古米を合わせる酢飯は、鮨ダネによって4種を使い分け。淡白な鮨ダネには、柔らかな酸味と塩気、砂糖を使わない自然な甘味を持たせた「白身白シャリ」。コハダのために考えられた「コハダ白シャリ」は中トロ、サヨリやアジ、カツオにも合う万能酢飯。大トロや車エビには、数種類の米酢と塩をしっかりと効かせた「トロ白シャリ」。ノドグロ、ウニ、アナゴ、ハマグリなど鮨ダネの旨みを最大限に感じられるネタには赤酢と塩をメインにした「ロゼシャリ」酢飯がセレクトされる。
看板の握りだと平松氏が胸を張るのは、豊洲市場の人気仲卸「樋長」のマグロを仕立てる「熟成マグロ」。ゆっくり脱塩する独自の〆方が自慢の「コハダ」や、殻を炊いたスープで茹でて旨みを重ね合わせる「車エビ」も、鮨通をも唸らせる人気の一貫たちだ。
長年『寿し おおはた』の日本酒を任され、熟知する平松氏がセレクトする銘柄には間違いがない。栃木「惣譽」、福岡「旭菊」、新潟「鶴齢」、宮城「黄金澤」、山形「山形正宗」、島根「天穏」、石川「竹葉」など、常時15種ほど揃え、料理4品、握り11〜12貫のコース料理に寄り添う。平松氏にお任せでオーダーするのをおすすめしたい。ダークブラウンのL字型カウンター(7席)には、白木調の付け台が置かれ、平松氏による渾身の握りを引き立たせる。『寿し おおはた』同様に予約困難店となる予感しかない『分おおはた』を、プライベートでも、ビジネス使いでも、さまざまなシチュエーションで利用されてはいかがだろうか。
■アクセス
JR東西線 北新地駅より徒歩にて10分
京阪本線,大阪市営地下鉄御堂筋線 淀屋橋駅より徒歩にて9分