食の名店が軒を連ねる西麻布に店を構える『鮨 利﨑 西麻布(りざき)』。予約困難店として知られる渋谷の本店『鮨 利﨑』が展開する『鮨 利﨑 青山』、『鮨利﨑 恵比寿』に続く4店舗目として、2023年5月にオープン。『鮨 利﨑』の握りを踏襲する親方の塩谷 直貴(しおたに なおき)氏が腕を振う。
京都『菊乃井 本店』で日本料理の基礎を学び、西麻布『ツバキ』ではフランス料理を経験するという高いステージでキャリアを積んだ塩谷氏。その後、“お客様を目の前にして料理ができる”鮨職人を目指し、『鮨 利﨑』の門を叩く。料理の高いスキルを持って磨き上げた握りの腕を買われ、2021年にオープンした3号店『鮨 利﨑 恵比寿』を任される。人気店へと押し上げた後、同様に予約困難店となった青山の2号店の近くにオープンすることとなった4号店の親方に就任。4番目の人気店誕生に期待がかかる。
敷居が高い鮨店のイメージを払拭したいという塩谷氏のテーマは変わらず。価格を抑え、若年層のお客様も歓迎。もちろん鮨に精通するお客様にも満足いただけるよう、本店の仕入れと同じにし、クオリティで勝負。豊洲市場へ足を運び、自身も目利きしながら気心の知れた仲買より仕入れる鮨ダネは週替わりとし、気軽に毎週通っても飽きない工夫がされる。
ワサビは、静岡県御殿場市の生産者、田代耕一(たしろ こういち)氏による「真妻わさび」を使用。
酢飯の米は、「東北194号」と「笑みの絆」という、粒の大きさも硬さも違う2種をブレンドし、口の中でほろっとほどける感覚を大切にする。酢は、ヨコ井の醸造酒「白寿」、赤酢「琥珀」と、村山造酢「千鳥酢」の3種をブレンド。コースの中盤で提供される握りのマグロは、人気の仲卸専門店『樋長』より。この極上マグロの握りのためだけに、提供時間に合わせて米を炊き、温度を調整、酢飯を切るのは、看板の握りだからこそ。また、自慢の「酒蒸し」は、日本酒とコンブだけで1週間かけて出汁をとるという日本料理で培った塩谷氏の技が光る逸品だ。
日本酒は通年置く山形「十四代」や秋田「新政」他、全国の銘酒を20種ほど揃え、鮨ダネやお客様の好みに合わせてセレクトしてもらえるので、おまかせでオーダーするのをお勧めしたい。土壁とヒノキ一枚板のL字カウンター(10席)が目を引く店内には、個室1部屋(4名)も用意される。クオリティ高い鮨やつまみを、高級感あふれる雰囲気ながらも肩肘張ることなく、気楽に気軽に楽しまれてはいかがだろうか。
■アクセス
東京メトロ日比谷線,都営大江戸線 六本木駅より徒歩にて約15分